【インタビュー】『あのコの、トリコ。』吉沢亮 「イケメンより地味メンがしっくりくる」さえない高校生役で本領発揮!?

2018年10月5日 / 16:50

 主人公の地味でさえない眼鏡男子の頼(吉沢亮)が、大好きな雫(新木優子)のために格好よく変わっていくさまを、昴(杉野遥亮)との三角関係も交え、恋と夢を追い掛ける姿を描いた映画『あのコの、トリコ。』。

スタイリスト:荒木大輔 ヘアメイク:小林正憲(SHIMA)

 主演の吉沢は、学生時代を「カースト制度の最下層にいた」と言うこともあれば、「超モテた」と言うこともあり、まるで頼そのものだが、果たしてどちらが真実なのか…。本作撮影時のエピソードとともに、今や人気イケメン俳優の筆頭にいる吉沢の気になる過去と未来、そして恋愛観に迫った。

 相反するコメントの理由を問うと、「中学のときは死ぬほどモテて、高校のときはカースト制度の最下層にいました」と返す吉沢。「地元の友達がいない高校に進学したので、もともと人見知りだったから、男友達5~6人とばかり遊んで、それ以外の人とは関わりませんでした」と回顧した。

 だからこそ、さえないキャラクターにも共感ができるようで、「当時の自分が役に生きている気はします。地味とか根暗とかの役の方がしっくりくる」としみじみ語ると、キラキラオーラを放つイケメン役は、「つらいです。どういう顔をしていればいいのかが分からなくて、いつも戸惑っています」と意外な心中を吐露した。

 そんな思いを抱えながら演じた頼は、成長ぶりにこだわり、「地味な頼が雫のために格好よく変わっていくところや、最初は雫を助けようと芸能界に飛び込んだけど、実は俳優は子どもの頃からの夢だったので、徐々に自分のために頑張るようになる心の変化を意識しました」と胸を張った。

 お気に入りは、アクシデントにより頼が雫の相手役をすることになったランジェリー広告の撮影シーンで、「頼にとっては初めての撮影だからぎこちないし、雫も相手が頼だから恥ずかしさがあるけど、だんだん2人がその空間にのめり込んで、距離が縮んでいく感じがよかったです」と笑みをこぼした。

 そんな吉沢は、虚構の世界である漫画の実写化作品に出演することが多い。記憶に新しいのは映画『銀魂』シリーズや『BLEACH』だが、「そういう少年漫画ではうそっぽさが大事だったりするけど、少女漫画はある意味、普通の恋愛の話なので、漫画通りにやってうそっぽくしたくない」とこだわりも明かす。

 確かに、等身大の登場人物たちが繰り広げる恋愛模様は、私たちの現実とリンクしそうだが、実際のところ、胸キュンが多発するドラマチックな出来事はそうあるはずもない。“学園一のモテ男”も、自分を取り合う“黒王子と白王子”もまずいない…。そのため、「原作へのリスペクトを持ち、脚本を読み込み、監督に自分の意見も伝えながら、うそっぽくなく演じている」のだとか。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

岸井ゆきの「夫婦の“切実さ”が描かれている」宮沢氷魚「すごくやりがいがありました」すれ違っていく夫婦役で初共演『佐藤さんと佐藤さん』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 大学で出会った佐藤サチと佐藤タモツはたちまち意気投合し、一緒に暮らし始める。ところが卒業後、弁護⼠を⽬指すタモツは司法試験に失敗。独学を続けるタモツに寄り添うため、サチも司法試験に挑むが、数年後、合格したのはサチだった。結婚、出産を経て弁 … 続きを読む

28歳で亡くなった阪神タイガースの元選手の実話を映画化! 松谷鷹也「横田慎太郎さんのことを知っていただきたい」前田拳太郎「誰かの背中を押す作品になるはず」『栄光のバックホーム』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 プロ野球、阪神タイガースの将来を担う選手として期待されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退、その後も病気と闘いながら講演会活動などを続け、2023年に28歳で亡くなった横田慎太郎の生きざまを描いた『栄光のバックホーム』が、11月28日か … 続きを読む

吉高由里子「忘れかけていたことをいきなり思い出させてくれる」 念願の蓬莱竜太と初タッグ パルコ・プロデュース2025「シャイニングな女たち」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月28日

 吉高由里子が2022年の「クランク・イン!」以来、3年ぶりに舞台主演を果たす。吉高が挑むのは、日常に潜む人間の葛藤や矛盾を丁寧にすくい取り、鋭い視点の中にユーモアを織り交ぜる作風で共感を呼んできた蓬莱竜太が描く新作舞台、パルコ・プロデュー … 続きを読む

【映画コラム】新旧監督の話題作が並んで公開に『TOKYOタクシー』『金髪』

映画2025年11月22日

『TOKYOタクシー』(11月21日公開)  タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。  すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む

中川晃教「憧れることが原動力」 ミュージカル「サムシング・ロッテン!」で7年ぶりにニック役に挑戦【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月22日

 数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む

Willfriends

page top