エンターテインメント・ウェブマガジン
少しドライで頑固なところではないでしょうか。熱いだけでなく、決して芯を曲げない。出てくる人はみんな頑固なところがありますが、大久保さんに比べたら、西郷さんの方が人の話を聞こうとする雰囲気があります。もしかしたら、話せば聞いてくれるかも…?という余白があるというか…。大久保さんの方は、一度こうと決めたら、テコでも動かない印象(笑)。とはいえ、時代を切り開いた人は、誰しも多少は変わっているもの。そうでなければ、そんなことは考えませんから。それよりも、世の中を変えようと志を持ち、それを実行できることの方がカッコいい。そういう意味で、頑固さやドライな部分が大久保さんの魅力かなと。
でも、瑛太さんが演じる大久保さんは人間的なところもあって、この作品をきっかけに好きになってもらえたらいいですね。
大久保さんの格好をしているときの瑛太さんは、普段とは全く違います。口数も少ないですし、リハーサルのときから西郷さんとの距離感を保っている感じがあります。だから、現場ではできるだけ大久保さんでいようとしているのかなと。ただ、私が撮影に入ったときには、もうすでに瑛太さんの大久保さんが出来上がっていたので、できれば最初の頃からどんなふうに役を作って行ったのか、見てみたかったです。
ゆうは芸妓ですが、誰かに依存するのではなく、ちゃんと自分のポリシーを持って生きている人。だけど、今の私たちから見れば、女性の立場であの時代を生きることは、とてもつらく、耐えられないことも多かったはず。そんな中、大久保さんといるときだけは、一緒に夢を見られたのではないかなと。どこか似たところもあって、もし、ゆうが男性だったら、大久保さんと一緒に行動を起こしていたのではないでしょうか。同時にゆうは、大久保さんの体を気遣う女性らしい一面も持っている。とてもカッコいい人だなと。演じる上でも、そういう魅力を表現したいと思っています。
「西郷どん」の満寿さんは「内助の功」という言葉がピッタリな、こちらが嫉妬するぐらいよくできた女性。地に足を付けて大久保さんを支えるしっかりした人という印象です。その分、私の方は大久保さんがもたれかかることができるクッションのような女性でいようと、雰囲気を少し柔らかめにすることを心掛けています。
漠然と、大らかで優しそうなイメージを抱いていました。だけど今回、実はすごくナイーブで、気遣いもできて、自分の気持ちや考えを持て余している人だったことに初めて気付かされました。なぜこんなに苦労しているんだろうと、かわいそうに思えるぐらいで…。銅像のイメージとはだいぶ変わってきました。そんな西郷さんを、最近は亮平さんが狂気にも見える怖さを出しつつ演じています。それを見ると、ゾクッとします。常にもっと魂を揺さぶって演じようと、真剣に役と向き合っているようで、その一生懸命さを見ると、いつもすがすがしい気持ちにさせられます。
(取材・文/井上健一)
ドラマ2025年10月14日
-日々の撮影を乗り切るリラックス方法、元気と健康の秘訣(ひけつ)は? 食事、睡眠、運動にはもちろん気を遣っています。ただ大事なのは、心の持ちようだと思います。「5時間しか寝ることができなかったじゃなくて、5時間も寝ることができた」とかね。 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年10月13日
-本作の公演中の11月22日には31歳の誕生日を迎えますね。 公演中に誕生日を迎えられるのは幸せです。去年の誕生日は本を出版させていただき、イベントを行わせていただきましたが、今年は舞台俳優として過ごさせていただきます。カーテンコールなど … 続きを読む
ドラマ2025年10月12日
-クランクインして2カ月ほどたちましたが、撮影の様子を教えてください。 妻夫木 皆さん本当に家族のように過ごしながら撮影しています。僕自身、1日1日が過ぎるたびに「このシーンはもう二度とやらないんだな」と寂しさを感じるくらいで、それほど毎日 … 続きを読む
ドラマ2025年10月10日
-本作は「遺品整理」がテーマで、ドラマを見た視聴者も生や死について考えさせられる作品になると思います。この物語を通じて“死ぬこと”や“生きること”について、考えたことがあれば教えてください。 今回の作品に携わることで“死ぬときに何が残るの … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年10月10日
名匠・黒澤明と三船敏郎が初めてタッグを組んだ伝説の映画『醉いどれ天使』の2025年舞台版が11月7日に開幕する。本作は、戦後の混沌(こんとん)とした時代に生きる人々の葛藤を生き生きと描いた物語。映画が公開された1948年に、映画版とほぼ同 … 続きを読む