「半次郎にとって、西郷先生は神以外の何者でもありません」大野拓朗(中村半次郎)【「西郷どん」インタビュー】

2018年9月16日 / 20:50

 薩摩軍を率いて討幕を目指す西郷吉之助(鈴木亮平)の下には、数多くの藩士が集まっている。その1人が幼い頃、吉之助に窮地を救われた中村半次郎だ。“人斬り半次郎”と呼ばれるほどの天才的な剣の腕前を駆使して、生涯、敬愛する吉之助と行動を共にすることになる。演じるのは、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(16)、「わろてんか」(17~18)などで人気を集めた大野拓朗。人間味豊かな演技の裏に込めた思いを聞いた。

中村半次郎役の大野拓朗

-出演が決まったときの感想は?

 学生時代は世界史専攻だったので日本史にはあまり詳しくはないのですが、“人斬り半次郎”と言えば、そんな僕でも知っているぐらいの有名人。しかも、名前からして男らしく、強く、猛々しい役。だから、最初に聞いたときは「僕でいいの?」と驚きました。今まで「わろてんか」では三枚目寄りの役でしたし、「とと姉ちゃん」もとぼけたキャラクターと、どこかかわいらしさを感じさせる役が多かったので。でも同時に、役者としてそういう役を頂けるようになったことに対する喜びも湧いてきました。

-半次郎をどんな人物だと捉えていますか。

 基本的にものすごく厳しく、熱く、真っすぐで、直情的な人です。ただし、敵味方関係なく、根性のある人に対しては優しく、情の深いところもある。調べてみたら、そういうエピソードがたくさん見付かったので、温かい人物のつもりで演じています。

-そういう点は、半次郎が敬愛する吉之助にも似ていますね。

 僕も、西郷先生みたいな男になりたいと思って半次郎を演じています。だから、しゃべり方も勝手に亮平さんをまねてみたり…(笑)。でも、全然同じようにはできません。演説を、その場全体に響かせる声の出し方や、説得力のあるしゃべり方はやっぱりすごいなと。だから、撮影が終わるまでには、少しでもコツをつかんで近づけたら…と思いながら、毎回せりふをしゃべっています。

-半次郎は幼い頃、吉之助に助けられた縁があります。半次郎にとって吉之助は、どんな存在でしょうか。

 神です(笑)。神以外の何者でもありません。「人柄にほれている」というレベルではなく、「頭のてっぺんからつま先まで、僕は全て先生のもの」という感じです。僕が初登場した第27回、西郷先生が、大きくなって再会した半次郎に「よか二才(にせ)になったのう」と声を掛けてくれたときの顔なんかまぶし過ぎて…。とっても神々しかったです。

-吉之助役の鈴木亮平さんの印象は?

 すごい人です、器が大きくて…。いろいろアドバイスを頂きながら芝居を進めていますが、相談すると「こんな感じで」と手本を見せてくれるんです。それが確かにそう見えるので、僕も「やってみます!」と。体作りについても、いいサプリメントや効率のいいトレーニング方法を教えていただいて…。なんでも相談に乗っていただいていますが、今まであれほど器の大きさを感じた人は、ほかには北大路欣也さんしかいません。亮平さんは、それぐらい大きな人。完全に神ってます(笑)。

-話を半次郎に戻すと、かわいらしさも彼の魅力ですね。

 漢字に弱い点や「西郷先生大好き」という忠誠心が前面に出ているところは、かわいらしいですよね。これまで、「とと姉ちゃん」の清は“ウザかわいい”、「わろてんか」のキースは“小ざかしかわいい”と自分で命名していたので、半次郎は“勇ましかわいい”にしようかと(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】9月の公開映画から

映画2026年10月8日

「バックルームズ」(9月4日公開)★★★ 出口のない迷宮が生む恐怖  “あるはずのない隙間”から、黄色い壁に囲まれ蛍光灯に照らされた迷宮のような空間へ迷い込んだ男(キウェテル・イジョフォー)が、出口を求めてさまよう。インターネット発の都市伝 … 続きを読む

伊原六花「七五三掛さんが一緒で心強い」七五三掛龍也「伊原さんはオールマイティーな方」痛快リベンジ・エンターテインメントで共演「小麦とバターと復讐と」【インタビュー】

ドラマ2026年10月7日

 10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。  夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

 小瀧望が主演する舞台「ロックンロール」が、11月6日から上演される。本作は、世界的な劇作家トム・ストッパードが祖国チェコスロバキアを舞台に、20年以上にわたる歴史のうねりを描きながら、自由の尊さをうたう物語。愛するロックンロールと母親を守 … 続きを読む

page top