「もし、ゆうが男性だったら、大久保さんと一緒に行動を起こしていたのでは…」内田有紀(ゆう)【「西郷どん」インタビュー】

2018年9月23日 / 20:50

 京にやって来たばかりの頃、西郷吉之助(鈴木亮平)、大久保一蔵(瑛太)らが出会ったのが、茶屋「繁の家」の人気芸妓ゆう。やがて大久保と恋に落ちると芸妓を辞め、鳥羽・伏見の戦いで新政府軍の切り札となった「錦の御旗」を作るなど、大久保を献身的に支えていくことになる。演じる内田有紀が、役作り、ゆうと大久保との関係などについて語ってくれた。

ゆう役の内田有紀

-第36回で、ゆうが作った錦の御旗が鳥羽・伏見の戦いで新政府軍を勝利に導くなど、“革命編”では女性たちの存在にもスポットが当たっています。演じる側として、どんなことを感じていますか。

 私も幕末の物語が大好きなので、登場人物の名前を見ているだけでワクワクします。それに加えて、この作品では少しずつですが、男性をサポートする女性たちの姿もチャーミングに描かれているのも見どころです。そういう意味では、歴史を掘り下げる部分は男性に任せて、女性たちのパートはホッとできたり、愛らしさが出てきたりする部分として、丁寧に一生懸命演じたいと思っています。特にゆうの場合は、正妻の満寿(美村里江)さんには申し訳ありませんが、大久保さんをサポートする姿を見てもらって、ライバル心を燃やしてもらおうかと(笑)。

-そんな女性たちの活躍を見て、幕末に対する印象は変わりましたか。

 確かに、幕末で女性の存在を意識したことは、今まであまりないかもしれません。坂本龍馬の奥さんのお龍さんぐらいでしょうか。どうしても、他に有名な人たちが多いので…。ですから、この作品を見ていると「時代を変えるんだ」という男性たちの勢いに飲まれるのではなく、女性たちも必死に付いていきながら、旦那さんや愛する人をサポートできる強さを身につけていったのではないか…。そんな気がしてきます。

-ゆうはもともと、芸妓でしたが、役作りはどのように?

 当初は、劇中で踊るかどうか分からなかったので、まず踊りの稽古をさせていただきました。踊る場面はありませんでしたが、おかげで気持ちを作ることができました。ただ、日常の所作は踊りとまた違うんです。驚きました。踊りではたもとの下に手をやるようなしぐさが多いのですが、日常では少ない上に、指先の動きも違っていて…。そういう細かいニュアンスの一つ一つがお芝居に出るので、役を作るのはとても細かい作業だと、改めて気付かされました。

-ゆうは芸妓を辞めてから装いが大きく変わりました。話し方なども変わりましたか。

 全く違います。衣装が変わったことで、話すテンポも、動きも自然に変わりました。だから、芸妓の頃のゆうも、お座敷以外ではきっとこういうふうに暮らしていたんだろうなと、想像することができました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

寺西拓人 声優初挑戦は「とても刺激的で楽しい経験でした」 「マクロス」、「アクエリオン」シリーズの河森正治監督の長編アニメーションに出演『迷宮のしおり』【インタビュー】

映画2025年12月30日

 2026年1月1日全国公開となる『迷宮のしおり』は、「マクロス」、「アクエリオン」シリーズなどで知られる河森正治監督初のオリジナル長編アニメーションだ。  引っ込み思案な女子高生・前澤栞(声:SUZUKA(新しい学校のリーダーズ))は、親 … 続きを読む

織山尚大、芸能活動10周年を迎え「今のこの年齢で演じる意味がある」 舞台「エクウス」で3年ぶりの主演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月29日

 映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む

【映画コラム】「2025年映画ベストテン」

映画2025年12月28日

 今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】  2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む

田中麗奈「こじらせ男の滑稽で切ない愛の行方を皆さんに見届けていただきたいと思います」『星と月は天の穴』【インタビュー】

映画2025年12月24日

 脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む

Willfriends

page top