「本当にしんどい…」二つ返事で引き受けた朝ドラの洗礼に震える日々 有田哲平(津曲雅彦)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年8月24日 / 14:37

-苦労されている様子が目に浮かびますが、だからこそ注目してほしいところはどこでしょうか。

 撮影初日に長ぜりふのある台本9ページのシーンがあって、健くんに「(カメラ)止めながらやるんでしょ?」と聞いたら、「何言っているんですか。NHKは一気に行きますよ」と言うから頑張ってせりふを覚えたので、そこはぜひ見ていただきたい!

-長ぜりふや長回しも朝ドラ名物ですよね。

 ここまで何かを覚えたというのは受験勉強以来です。でも、誰も褒めてくれないんです。まぁみんなにとっては当たり前のことですからね。

-ちなみに、相方の上田晋也さんの反応は?

 去年のドラマの撮影時に、楽屋でぐったりしていても何も声をかけてくれなかったし、クランクアップして「大変だった」と言っても、「そうか?」って。「俺はバカボンやっているけどね」みたいな上から目線でドライだったけど、これに関しては奥さんと子どもが欠かさず見ていて、上田もつられて見ているみたいで、「おまえ、『半分、青い。』出るの!?まじで?いいなぁ」って初めて俺に嫉妬してくれました。

-“没”な人生からはい上がろうと奮起する中年男の姿を描いたドラマ「わにとかげぎす」では、ナチュラルな芝居が好評でしたが、本作での経験も含めて役者業にどのような魅力を感じていますか。

 これまでにもドラマの誘いはあったけど、「役者は向いていないんですよ」と断ってきたんです。でも、食わず嫌いもどうだろうと思ってやらせてもらったら、バラエティーと全然違って新鮮でした。拘束時間が長いし、同じシーンの撮影を何度もすることは大変だけど、みんなでいいものを作っているという実感があって、やりがいを感じました。

-朝ドラを機にブレークする役者は大勢いますが、ご自身の俳優として展望は?

 ドラマはものすごい数のスタッフと、気長な作業でできているので、怠けた精神で、その場その場の行きずりの仕事をやってきた身としては、僕から「こういう役をやりたい」というのは全くないです。ただ、あえて芸人の僕を使いたいと言ってくれる方がいるのであれば、ぜひ言ってください!

(取材・文/錦怜那)

津曲雅彦役の有田哲平

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