「本当にしんどい…」二つ返事で引き受けた朝ドラの洗礼に震える日々 有田哲平(津曲雅彦)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年8月24日 / 14:37

 涼ちゃん(間宮祥太朗)と離婚し、子どもを連れて実家に戻った鈴愛(永野芽郁)は、“モノづくり”という新たなステージに進んでいく。そんな彼女の人生に大きな影響を与える、うさんくさい男・津曲雅彦役で出演する、お笑いコンビ、くりぃむしちゅーの有田哲平。深夜ドラマの初主演を経て、国民的ドラマ“朝ドラ”にまで足を伸ばした俳優・有田の心境とは…? 役作りや、初めて経験する朝ドラ現場での様子とともに聞いた。

津曲雅彦役の有田哲平

-国民的ドラマのオファーを受けたときのお気持ちは?

 去年、初めて連続ドラマ(TBS系「わにとかげぎす」)の主演をやらせてもらったときに、バラエティーをやりながらのスケジュールで周りに迷惑をかけたし、真夏のロケで日に日に痩せて、最後は『あしたのジョー』の矢吹丈のように灰になっちゃったから、事務所に「ドラマはしばらくいいです」と言ったんです。でも、朝ドラは別です。北川(悦吏子)先生が当て書きしてくれていると聞いて、「もちろんやります」と即決しました(笑)。「わにとかげぎす」への出演が今回のオファーにつながったので、本当にやってよかったです。

-撮影現場に実際に入ってみていかがでしたか。

 毎朝リアルタイムでドラマを見て、「鈴愛ちゃん、頑張れ!」って漫画家になる夢を応援していたのに、僕の撮影がはじまったときは漫画家をやめて実家に帰っているし、現場に知らない子どもがいて、永野さんが「私の子どもです」って言うから、僕が「律(佐藤健)との?」と聞くと、永野さんが「律とじゃないです」って。訳が分からないですよ。自分が見ていたドラマの内容と、現場の様子が全くつながらないので、本当に僕が出てくるのか、いまだに分かりません。

-途中から参加するという緊張感もあったのではないですか。

 緊張しながら現場に行ったし、すでに出来上がっている輪の中に入れるかな…とも思いました。でも、皆さん温かく、よそ者感なく入れていただいて、休憩中にもいろんな話をして楽しんでいます。

-津曲は、商品プランニングやマーケティングなどさまざまな事業を展開する「ヒットエンドラン」の社長で、鈴愛のモノづくりに影響を与えるようですが、人柄について教えてください。

 バブリーな時代を駆け抜けた小悪党だけど、最後まで裏切ることができない“いいやつ”と聞いていますが、僕としては、人間だから魔がさして何かをしでかすけど、小悪党にもならないぐらい情に弱い人間だと思います。

-有田さんが演じるとなると、コミカルな役になるのでしょうか。

 あまり芸人っぽくやると役の邪魔になると思うので、折り合いをつけながら演じています。「テンションが上がった流れで、アドリブで」と言われたときは自分なりにやりましたけど、「ちょっとテンションを抑えてください」ということもあったし、脚本が素晴らしいので、まったく関係のない遊びはしないようにしています。

-北川さんいわく、「終盤のキーパーソン」だそうですね。

 確かに鈴愛ちゃんの人生のサポート役にはなると思いますけど、ドラマの展開を担うキーパーソンかなぁ? それはおこがましいです。

-当て書きを喜ばれていましたが、その実感はありますか。

 役を冷静に見られるほどの余裕がないです…。

-朝ドラの撮影方法は独特で戸惑う方もいると聞きますが、有田さんはどうでしたか。

 びっくりしたのは別日にリハーサルがあることです。どんな感じなのかをマネジャーに聞いたら「台本を持ちながらで大丈夫です」と言うから、流せばいいかなと思って行ったら、全員がせりふをきっちり覚えていて、真剣で、僕だけ台本を持っているから恥ずかしくて…。すぐに事務所でマネジャーと練習して本番に臨みました。そもそもバラエティーでは台本を覚える作業はしないので、本当にしんどい…。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

Willfriends

page top