「新しい扉を開けたような気がしました」一番の悩みの種の“物まね”にもおくさず挑戦! 原田知世(萩尾和子)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年8月10日 / 15:08

-和子の長い人生を演じる上で意識したことは何ですか。

 前半は20代なので、声のトーンを高めにして、後半は病気になっていることもあり、ゆったりした動きにしています。ただ、このドラマは15分の中で、すごく泣かされても、その後にクスッと笑えて温かい気持ちで終わるところが持ち味ですよね。それに、和子さんの役割は後者の明るい方なので、シリアスになり過ぎず、見ている方の気持ちをふっと上げられるようなさじ加減で演じました。

-息子である律や、演じる佐藤健さんの印象はどうでしょうか。

 和子さんはフワフワと夢見がちで、娘のままお母さんになったような人だから、律は逆に落ち着いていて、年齢が上がるにつれて、お母さんや鈴愛ちゃん(永野芽郁)のことを穏やかに見つめる人になっていると思います。健さん自身も年齢よりも精神的な部分が成熟しているように感じます。それから目が印象的で、あまりしゃべらなくても相手の心を静かに見つめるまなざしが普段もお芝居のときにも見られて、それが律であり、健さん自身の魅力だと思いました。

-夫役の谷原さんはいかがですか。

 序盤の萩尾家を紹介するシーンの撮影で、弥一さんと和子さんが写真館の中で「いらっしゃいませ」と言ったときに、谷原さんの声とたたずまいがダンディーですてきで、そのワンカットだけで「こんなふうにやればいいんだ…」と2人の世界観が見えた気がしました。新しい現場ではいろんな方がいて、特に朝ドラは人が多くてどうしていいか分からない瞬間があったり、打ち解けるまでに時間がかかったりしますが、2作目の共演で、人としてもすてきな谷原さんがいると、いつも安心して現場に入れました。谷原さんが弥一さんで良かったし、弥一さんがいたから和子さんが成立したと思います。

-最後に、クライマックスに向けての見どころを教えてください。

 夫婦の愛情、母としての律への思い、そして、性格は全然違うけど、同じ子どもを持つ身として、信頼し合い、どちらかが弱ったときには支える関係をずっと続けながら一緒に年を重ねてきた晴さん(松雪泰子)との深い絆で結ばれた友情を見てください。

(取材・文/錦怜那)

夫婦役の原田知世(左)と谷原章介

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】“原爆の父”と呼ばれた男は一体何者だったのか『オッペンハイマー』/80年代と現代が交錯しながら合体している『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

映画2024年3月29日

『オッペンハイマー』(3月29日公開)  才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、第2次世界大戦中、核開発を目的とした米政府のマンハッタン計画において、原子爆弾開発プロジェクトの委員長に任命される。  だが、実験での原爆の威力 … 続きを読む

岡本圭人、岡本健一と2度目の親子共演への思い 「成長した姿を見せられたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年3月27日

 若村麻由美と岡本圭人、岡本健一が出演する舞台「La Mère 母」と「Le Fils 息子」が2つの劇場で同時上演される。同作は、劇作家フロリアン・ゼレールによる家族三部作のうちの2作で、若村が主演する「La Mère 母」は日本初上演、 … 続きを読む

「光る君へ」第十一回「まどう心」互いの思いとは裏腹に、さらに開くまひろと道長の距離【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年3月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。3月17日に放送された第十一回「まどう心」では、藤原兼家(段田安則)によるクーデター“寛和の変”の事後処理、およびそれに伴う主人公まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の行動が描かれた。  兼 … 続きを読む

【週末映画コラム】4K復元版で「ドル3部作」を一挙上映『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』

映画2024年3月22日

 監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネ、主演クリント・イーストウッドという伝説のトリオが放った「ドル3部作」(「ドル箱3部作」と表記されることも多い)が、マカロニ・ウエスタン誕生60周年を記念し、4K復元版として3月22日から一 … 続きを読む

「生への回帰というのがこの映画の目指したところです」荒木伸二監督、若葉竜也『ペナルティループ』【インタビュー】

映画2024年3月21日

 朝6時、いつものように目覚めた岩森淳は、恋人の砂原唯(山下リオ)を殺した溝口登(伊勢谷友介)を殺害する。翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、なぜか溝口も生きている。そして今日もまた、岩森は復讐(ふくしゅう)を繰り返していく。荒木伸二監 … 続きを読む

Willfriends

page top