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秋風羽織(豊川悦司)の漫画家事務所「オフィス・ティンカーベル」でアシスタントとして働くゲイの美青年ボクテ(藤堂誠)を演じる志尊淳。ドラマ10 「女子的生活」でのトランスジェンダー役に続き、ゲイというセクシャルマイノリティーのキャラクターを演じ、「責任を感じる」という志尊が、その胸中や、役の見どころなどについて語ってくれた。
朝ドラはたくさんの方が見る作品でもあるし、出たいという願望もあったので、すごく楽しみでした。今までとは違う表現ができたらなと思いました。
セクシャルマイノリティーの方に偏見を持つ人が多い1980、90年代が舞台ですが、決してハンディキャップとはせずに、アシスタント仲間の一人が、たまたまゲイだったというだけなので、劇中でもそんなに言及されていません。それよりも、純粋なところを見せたいし、口調や服装、髪形、身に着けるものの細かい部分で、ボクテくんらしさを出していきたいです。
「女子的生活」に主演してからは、LGBTの役に対して責任を感じるようになりました。このドラマでも、ボクテくんを“イロモノ”にしたくないという思いが人一倍強く、表面的な描き方にならないように、クランクイン前から何回も監督やプロデューサーと話し合いました。ボクテくんがゲイであることはあまり描かれてはいないけれど、ゲイの役である以上は責任を持って演じています。
去年、「春のめざめ」というストレートプレーに初めて挑戦したときに、何かが変わったと思いました。本番2日前まで、演出の白井晃さんから「こんなんじゃ幕は開けられない」と言われていて、自分でもよく分からなくなっていたときに、一度、振り切ってやってみたら「これだ!」と言われたんです。自分ではその感覚は分からなかったけど、白井さんいわく「殻を破った」そうで、自分では感じないことでも大切な経験になっていると思いました。ドラマ「植木等とのぼせもん」は、その舞台を関係者が見にきてくださって、オファーにつながったので、そういう一つ一つの積み重ねで今ができていると感じています。
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