劇中映画も自ら撮影!映画監督役に感じる「大きな必然」斎藤工(元住吉祥平)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年7月9日 / 14:47

 漫画家の夢破れた鈴愛(永野芽郁)の新たな人生を描く「人生・怒涛 編」で、鈴愛が出会う“魅惑のだめんず”の一人で、いっこうに新作が撮れない芸術家肌の映画監督・元住吉祥平を演じる斎藤工。今年公開された初の長編監督映画『blank13』で映画監督としての才能を世に知らしめた斎藤が、「大きな必然」を感じて引き受けたという本役に懸ける熱い思いを語ってくれた。

元住吉祥平役の斎藤工

-出演に至った経緯を教えてください。

 2年ほど前に初めて(脚本の)北川(悦吏子)さんの作品「運命に、似た恋」(NHK総合)に参加させていただいて、その打ち上げで、北川さんと原田知世さんと3人で話していたときに、ご本人から「今度書く朝ドラに縁があったら出て」と声を掛けていただきました。とはいえ、歴史ある朝ドラというブランドに、自分のニーズはあるのだろうか…、朝向きの顔面もしていないし…と、半分社交辞令と捉えていました。

-しかし、本当にオファーがきたのですね。

 そうです。この出会いは大きな必然で、去年でも来年でもなく、今の自分が北川さんから頂いたメッセージのような役柄だと思いました。

-監督として初の長編映画『blank13』を撮られたばかりの今だからこそ、必然を感じたということですか。

 はい。北川さんには早い段階で『blank13』を見ていただいていたので、それが北川さんの中で僕を起用する要因になったかもしれません。それに北川さんが、どこかの映画祭での僕の監督としての表情を写した写真を見て、「このイメージいいね」とおっしゃってくださったことがあったので、僕の表層的じゃないエモーショナルなところを軸にして、役を膨らませてくださった気がしました。

-北川さんは当て書きをされていますから、かなり共感する部分があるのでしょうか。

 もちろん相通ずるものは感じます。でも、この役には僕という枠以上に、僕が見てきた映画監督という職業のアクが切り取られていると思いました。日本の映画監督が置かれている環境は諸外国と比べると劣悪で、どれだけ映画がヒットしても、それだけでは生活ができないのが実情です。そういう90年代から現在に至るまでの映画監督たちの思いが託されていたり、自分が業界に抱く悲哀が表されたりしていて、迫りくるリアリティーを感じます。

-元住吉は鈴愛の運命を大きく変えるキーパーソンとなりますが、永野さんとの共演はいかがでしたか。

 初めてお見かけしたのは、リハーサル現場をのぞいたときですが、気絶したように眠っていらして、朝ドラのヒロインが背負っているものはすさまじいな…と思ったし、みずみずしく輝いている姿や、パッション、底知れぬ才能には衝撃を受けました。鈴愛になった瞬間に発せられる成分も圧倒的で、それによって僕もリアルに演じられたと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

なにわ男子・大西流星「“timeleszのお兄さん”な原くんは印象通り」 timelesz・原嘉孝「流星は優しくてしっかりしてる子」 1月期ドラマでW主演【インタビュー】

ドラマ2025年11月20日

 なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。  本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む

早見沙織「プレデターの新しい魅力をこの映画から感じていただけると思います」『プレデター:バッドランド』【インタビュー】

映画2025年11月19日

 未熟故に一族を追われた若きプレデターのデクは、生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放される。デクはその地で謎のアンドロイドの少女ティアと出会う。「プレデター」シリーズ中、初めてプレデター自身を主人公に据えて描いた『プレデター:バ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】「ユミの細胞たち」の原作者、ウェブトゥーン作家イ・ドンゴン

インタビュー2025年11月17日

 韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

Willfriends

page top