「“正人ロス”を絶対に起こしたい!」“ふわモテ”キャラに自信とたくらみ… 中村倫也(朝井正人)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年5月14日 / 08:30

-正人が登場する時代はバブル期で、懐かしの衣装やセットにも注目が集まりそうですが、印象的な撮影エピソードがあれば教えてください。

 1990年は4歳だったので、ディスコにはもちろん行ったことがなくて、撮影では目のやり場に困ったし、ダンス指導の先生に男性のステップの踏み方を聞いたら、「いや、基本的に男性は踊らないで、女性を品定めしてた」って言うから、浮かれてんなぁって思いました。それを豊川(悦司)さんに話したら「懐かしいね」って言っていました(笑)。異空間にタイムワープしたようでした。

-ところで、朝ドラは「風のハルカ」(05)以来の出演ですが、特別な思いがあるのでしょうか。

 朝ドラに出られることは役者としての誉れだと思っています。前回はデビューして半年ぐらいだったから何も分からず、一本やりで自信を持ってやっていたけど、当時ディレクターだった勝田(夏子)プロデューサーや、いろんな人に迷惑をかけたと思います。なので今回は恩返しというか、成長した姿を見せたかったけど、意気込み過ぎると正人じゃなくなるから、内心必死になりつつ、肩の力を抜いた武道の達人のようなたたずまいでいました。

-キャリアを積んで、役者としてはどのように変化しましたか。

 若い頃は人生経験も、表現者としてのパターンもないので、一本やりで「いいやりつけたぜ!」ってなるけど、本当は「これだ!」というのはそうそうなくて、パターンは無数にあるし、正解も不正解もなくて、大事なのは相手役に何を渡していけるか?ということ。だから、現場を重ねるたびに、不確か、かつ怖くなって、撮った瞬間から「こうしておけばよかったかな…」と思うし、基本的にはずっとビクビクしているけれど、その分やりがいは増しています。

-今回は正人役に手応えを感じられているようで、視聴者の期待も高まりますね。

 登場から「何だ、こいつ」感はありますが、上京した鈴愛たちが「この人、何者?」と興味を持てるように頑張ったので、メディアの方も、世間に興味を持ってもらえるように促してください。あと、起こっていなくても、“正人ロス”が起こったように書いてください。「べっぴんさん」(16)に出た林遣都が「俺、ロス起きるかと思ったらチクリとも刺さらない」とずっとぼやいていて、「倫也さんも起こると思ったら起こらないですからね」と言っていたので、絶対に起こしたいです(笑)。

(取材・文/錦怜那)

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

草なぎ剛「やっぱりすごい…。心からリスペクトしています」 風吹ジュン「学ぶことも多く、新しい意識が生まれるドラマ」「終幕のロンド」【対談インタビュー】

ドラマ2025年10月27日

-お二人は、娘の真琴(中村ゆり)に余命を伝えないと決めたこはるの生き方に共感できますか。 風吹 こはるは愛に生きる人なので、会えばけんかばかりしてしまう娘でも、そこには母親としての愛情しかなくて、それが彼女の決意、引いては“死にざま”につな … 続きを読む

沢村一樹「勝負は“確認作業”」 孤高の馬主が見つめる“真の競馬”とは 「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年10月27日

-感情を表に出さない冷静な椎名を、どのように意識して演技に臨んでいますか。  椎名にとって、レースは「確認作業」なんです。それが正しかったか、正しくなかったか。もし勝ったら「これが正しかったんだ」という確認ができて、逆に負けたら「何を変えた … 続きを読む

長尾謙杜&山田杏奈&石原慎也(Saucy Dog)が話題の映画でタッグ!「主題歌が主人公たちの気持ちを表している」『恋に至る病』【インタビュー】

映画2025年10月24日

-そうやってお2人が繰り広げる物語がドラマチックな分、エンディングに流れる「奇跡を待ってたって」が心に染み入ってきます。 石原 映画の内容をきちんと踏まえた曲にしたかったので、エンディングが始まって何秒で風景が変わり…といったことを細かく計 … 続きを読む

市毛良枝「現代の家族のいろんな姿を見ていただけると思うし、その中で少しでもホッとしていただけたらいいなと思います」『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』【インタビュー】

映画2025年10月23日

-文子が生涯学習の講座に行きますが、生涯学習についてはどう思いますか。  実は、以前、静岡県の生涯学習の委員をやっていました。それから最初に出した『山なんて嫌いだった』という本の後書きに「いつか少し時間ができたら大学に行って勉強してみたい」 … 続きを読む

林裕太「北村匠海さんや綾野剛さんとのつながりを感じました」期待の若手俳優が先輩2人と作り上げた迫真のサスペンス『愚か者の身分』【インタビュー】

映画2025年10月22日

-その場でとっさに反応したように見える迫真のお芝居でした。では、マモルにとってもう一つ大事な要素である北村さん演じるタクヤとのバディ感は、どのように作っていったのでしょうか。  北村さんと一緒に現場で作っていった感じです。僕が最初、緊張して … 続きを読む

Willfriends

page top