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それは、目の前のことで精いっぱいで、どうにもならない自分にもがき苦しんだ20代を経験し、30代で独立し、新しい環境に身を置き、奈津のように自分らしく生きている水川だからこそ言える言葉だ。その証拠に、「大変なことも多いけど、今は自分にうそがなく、すこやかで、何がしたいか、どうあるべきかが明確になって、すごく楽しい!生きている実感がある」と声を弾ませた。
そして、「表現できないことが増えていることに不安を感じる中で、この作品ができたことは大きい」と胸を張った。今のテレビ界では、そのシーンにおいて必要であるにもかかわらず、「脱げないし、いつの間にかシートベルトをしているという、たくさんの不思議なこと」が起きている。
それに対して「疑問を感じながらお芝居をすることに、どの役者もきっと頭を抱えながらやっていると思う」と憂う水川は、「表現こそ自由だから、それを見ている人が面白がってくれないと、この世界は成立しない」と声を上げる。
同時に、「お芝居の中でできることはたくさんあるのに、表現の幅が狭くなるし、事務的に規制線を張る感じがもったいない」と残念がると、「この作品が一つの道しるべになれば…」と大いなる期待を寄せた。
何かにつけて批判の的にされてしまうご時世だが、それを厭うことなく、毅然としたたたずまいで、正面切って本音を語る水川の姿は何ともしたたかで美しい。彼女の存在もまた、これからの時代を生きる女優たちの道しるべになることだろう。
(取材・文・写真/錦怜那)
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