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柄本 自分が出ている映画は、客観的に見られないですよね。ただ、末井さんは「普通は“起承転結”になるけど、“起承転転転…”みたいな映画」と言っていました。確かにその通りで、少し変わったストーリー展開ですが、それが冨永監督の魅力で、非常に色っぽい映画になったのではないかなと。
尾野 自分にとって映画らしい映画だったと思える作品でした。きっと映画好きの人が見たら、帰りに話が止まらなくなるんじゃないかな。主役が佑でよかった。面白かったもの、やっぱり。
柄本 監督に感謝ですね。そんなこと言われて…。
尾野 しゃべらない佑が面白いんだよね。もう大好物(笑)。
柄本 よかった。真千子に「大好物」と言われるなんて、こんな光栄なことないです。この人とは古い付き合いで、今までいろいろなことを言われたけど、そんなふうに言われたことはないから。ハードルを一つクリアした気分(笑)。
尾野 そうなんです。もう恥ずかしくて…(苦笑)。
柄本 でも、雰囲気があっていいよ。
尾野 いやもう…。やっぱり恥ずかしいですよね。歌手として世に出ているわけではないし、ドラマの中とかは別にして、きちんと歌わせていただくのも初めてなので…。
尾野 初めはピンとこなくて、「どう歌えばいいの…?」と。普段、俳優としては感情を乗せてせりふをしゃべるので、その時点ではどうしていいか分からずに悩みました。でも、歌っているうちに、「お母さんのことね…」と理解しました。そこから、みんなが心地よく感じるようにしたいと思い始め、収録に行ったら「ささやくような声がいい」と言われたので、ああいう感じになりました。
尾野 末井さんも歌手ではないので、大変だったみたいです。しかも、メロディーがすごく難しくて、2人とも音程を取るのに苦労しました。
柄本 でも、いい歌だよ。さっき“起承転転転…”と言ったけど、映像が“転転転…”で終わった後、最後に流れるこの歌が“結”になって締まる感じだよね。
尾野 そう? 自分では恥ずかしくて分からない…(笑)。
柄本 最初に母親の話で始まっているから、最後がこの歌でギュッと締まる感じがある。末井さんと母親役の真千子という組み合わせは、デュエットできるはずのない2人がデュエットしている形になるし。
尾野 なるほどね。でも、面白かったなぁ…。
柄本 うん、面白かった。
(取材・文・写真/井上健一)
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