【インタビュー】『素敵なダイナマイトスキャンダル』柄本佑「原作者の末井さんは『“起承転転転…”みたいな映画』と言っていました」尾野真千子「しゃべらない佑が面白い」

2018年3月16日 / 20:09

 雑誌編集者・末井昭の自伝的エッセイを映画化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』が3月17日から全国公開される。母親が隣家の若い男とダイナマイト心中するという衝撃的な少年時代を経て、エロ雑誌の編集者となった末井が、一世を風靡(ふうび)した1980年代までの破天荒な生きざまをつづった物語だ。主人公・末井昭を演じた柄本佑、ダイナマイト心中する母・富子を演じた尾野真千子が、撮影の舞台裏を語ってくれた。

柄本佑(左)と尾野真千子

-柄本さんのお芝居が存在感たっぷりで、最後まで見入ってしまいました。冨永昌敬監督からは演技についてどんなお話がありましたか。

柄本 最初は「誰でも感情移入ができる青春映画で、ある瞬間から末井さんが何を考えているのか分からないサスペンス期に入る」と言っていました。喜怒哀楽があってもいいけれど、周りから見ると全然分からない空っぽな状態。それを、現場では徹底していました。あとは、具体的に話をしたわけではありませんが、見え方として「いい人に見えるのだけは絶対に駄目、悪く見える分にはいいよ」と考えている印象を受けました。

-今生きている人物を演じることについてはいかがでしたか。

柄本 最初に原作本を手に取ったとき、表紙の末井さんの写真を見たら、顔が似ているなぁ…と(笑)。監督からは「佑くんのままで、まねしようとしなくていいよ」と言われたので、特に意識はしなかったです。ただ、末井さんが6日間ぐらい現場にいらっしゃったのですが、それはなかなかに酷でした(笑)。どういう気持ちで見ているのだろうと。

尾野 自分だからね。

柄本 そうそう。だから、最初は慣れなかったです。ただ、途中からは開き直って、「来ているんだったら、利用しない手はないな」と思って、観察させていただきました。周りに誰もいないときに一人で立っている姿などは、多少参考にさせていただいて。

-尾野さんは、ダイナマイト心中をする母親役ですが、どんな気持ちで演じましたか。

尾野 やっぱり、その気持ちは分からないですよね。私は死ぬのは嫌ですし、そんなことは考えたこともありませんから。台本に忠実にやることだけを心掛けて、現場で監督と「こうやった方がきれいに見えるよね」、「こんなため息をついたらどう?」など、アイデアを出し合って役を作っていった感じです。

-冨永監督は現場ではどんな様子で…?

柄本 初日に「こうやりましょう」と段取りを決めて、ワンカットずつ撮っていくんですが、途中で急に「ここのところ、こうして」と言うんです。そこで「さっき言っていた部分は残しつつ、この感じですか?」と聞くと、「いやいや、俺はどんどん言うことが変わるから」って(笑)。次々と新しいアイデアを採用していくんですよ。

-では、出来上がるまでどうなるか分からない感じで?

柄本 撮りながら、頭の中でパチパチと計算して組み立てている感じです。だから、当初の予定よりカット数が増えることはあっても、減ることはない。頭の中で考えているカット数があって、そこに他の人の新しいアイデアが入ってくるとカット数も増える。だから、こちらはよく分からないけれど、出来上がったらパズルのようにピッタリはまるんだろうなと。僕らは身を任せるしかないですけど、冨永監督が男らしい人だったので、安心して最後まで楽しく撮影することができました。

尾野 男らしいよね。

柄本 迷いがないというか…。きっと迷っているんだろうけど、それを女性に見せない感じがね…。って俺、女性じゃないけど(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「未来のムスコ」「3人のまーくんと颯太くんの晩御飯にほっこりした」「もう、みんなマーくんでいいじゃん!」

ドラマ2026年3月4日

 火曜ドラマ「未来のムスコ」の(TBS系)の第7話が、3日に放送された。  本作は、夢も仕事も崖っぷちのアラサー女性・汐川未来(志田未来)のもとに、“未来のムスコ”だと名乗る颯太(天野優)が現れたことから始まる、時を超えたラブストーリー。( … 続きを読む

市川中車&市川團子が語る歌舞伎への思い「明日を生きる活力や感動を届けたい」 歌舞伎町大歌舞伎 三代目猿之助四十八撰の内「獨道中五十三驛」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年3月4日

 市川中車と市川團子が挑む大スペクタクル歌舞伎、歌舞伎町大歌舞伎 三代目猿之助四十八撰の内「獨道中五十三驛」が5月3日から上演される。本作は、文政10年に江戸河原崎座で初演。長らく上演が途絶えていた作品を昭和56年に三代目市川猿之助(二世市 … 続きを読む

「夫に間違いありません」“聖子”松下奈緒らの共闘と裏切りが怖い 「登場人物みんなが崖っぷち」「栄大くんがつらい」

ドラマ2026年3月3日

 松下奈緒が主演するドラマ「夫に間違いありません」(カンテレ・フジテレビ系)の第9話が、2日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、主人公・朝比聖子(松下)が夫の遺体を誤認し、保険金を受け取った後に、死んだはずの夫が帰還する … 続きを読む

若村麻由美が挑む「幽閉されたクイーンと国家の中に幽閉されたクイーンの物語」 パルコ・プロデュース2026「メアリー・ステュアート」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年3月3日

 第27回読売演劇大賞優秀女優賞など多くの賞を受賞し、ドラマ、映画、舞台と多岐にわたって活動を続ける若村麻由美。4月8日から上演される、パルコ・プロデュース2026「メアリー・ステュアート」では、イングランド女王エリザベス1世を演じる。本作 … 続きを読む

「リブート」「一香(戸田恵梨香)は本当に悪なのか」「まだ物語が本物の儀堂(鈴木亮平)を手放していない気がする」

ドラマ2026年3月2日

 日曜劇場「リブート」(TBS系)の第6話が、1日に放送された。  本作は、最愛の妻の死をめぐってうそと真実が入り乱れ、日曜劇場史上類を見ない怒濤のスピードで展開していく“エクストリームファミリーサスペンス”。鈴木亮平が善良なパティシエと悪 … 続きを読む

Willfriends

page top