【インタビュー】『ジオストーム(日本語吹き替え版)』上川隆也「今までのディザスター映画のいいとこ取りをしたような映画」山本耕史「ドキドキ感がたまらない」ブルゾンちえみ「サラのような女性に憧れます」

2018年1月19日 / 14:52

 世界の気候が気象コントロール衛星によって完璧に制御されるようになった未来。だがもし、それが暴走したら…?『ジオストーム』(19日公開)は、最先端の映像技術を駆使して、異常気象が引き起こす世界の危機に立ち向かう人々の活躍を描いたディザスター映画だ。日本語吹き替え版には、衛星を開発した主人公ジェイク(ジェラルド・バトラー)に上川隆也、その弟マックス(ジム・スタージェス)に山本耕史、マックスの恋人でシークレットサービスのサラ(アビー・コーニッシュ)にブルゾンちえみ、という豪華キャストが顔をそろえた。ハリウッド大作の吹き替えに挑戦した3人が、映画の見どころや、吹き替えの裏話などを語ってくれた。

(左から)ブルゾンちえみ、上川隆也、山本耕史

-皆さんそれぞれ、演じた役についてどのような印象をお持ちでしょうか。

上川 ネタバレになるので詳しくはいえませんが、最終的な局面でジェイクが大きな決断をする瞬間があるんです。その決断があっぱれで、潔い。極限の状態でその決断をするというのは、なかなかできないように思えるんですが、でも、彼はあえて選んでみせる。そこは男として憧れるし、理解できる感情だと思いました。

山本 こういうハリウッド映画の主人公たちは、夢みたいな職業に就いていますよね。マックスはシークレットサービスとも対等に渡り合う国務省の職員で、しかも若い。あの年で任せられるということは、相当頭のいい人物です。そういう設定がまずカッコいい。自分がそこに食らいついていくのは大変ですが、どんなキャラクターにも変身できるのが俳優や声優の醍醐味(だいごみ)。そういう人生を垣間見る時間でもあるので、やっている瞬間は自分がカッコ良くなった気分になれますし、光栄ですね。

ブルゾン 大統領のシークレットサービスという職業だけで、もう十分にカッコいい女性ですが、サラに好感が持てるのは、仕事だけのロボットみたいな人ではなく、ちゃんと恋愛もして人間らしさがあるところ。「今は仕事中だから」という一方で、家に帰れば彼氏に素の部分を見せている。男性からも女性からもカッコいいと思われる女性って、こんな感じなのかなと。あんなふうに恋も仕事も充実しているすてきな女性に憧れます。

-皆さんの声が役にピッタリ合っていて、楽しく映画を見ることができました。吹き替えをする上で、どんなことに気を付けましたか。

上川 ありがとうございます。ジェイクを演じているジェラルド・バトラーさんのお芝居の邪魔にならないことと、日本語吹き替え版として、より分かりやすくお客さまに伝えられるものになれば、というのが特に気を付けたところです。その上で、弟のマックスに対する感情や、自分が開発した気象コントロール衛星に対する思い入れなどを、“演じる”という形で盛り込んでいけたらと考えていました。

山本 僕も上川さんと同じです。役者さんの動きやちょっとしたしぐさ、表情を見て、この人は今、このぐらいのトーンで、こういう感じでしゃべったな、というふうに寄せていきました。台本には“!”が付いているけれど、実際に見ると!という感じではないな、とか。本人が叫んでいるのに、声が吐息だったらおかしいですよね。だから、なるべくマックスがしゃべっている表情や、しぐさに合ったトーンになるように気を付けました。

ブルゾン 私はお二方のように演技に気を付ける前に、やらなければいけないことがたくさんあって…。最初は、サラの見た目に自分の声が合わないという違和感が大きかったので、違和感を無くすことを第一に心掛けました。しゃべるときも、口を横に開く癖があるらしく、「もっと縦に開いて」とか、声も高いので「もっと低く、低く」と言われましたし。そういうことを全部やりつつ、同時に演技をすることが、本当に難しかったです。ほんの1秒の間に気を付けることがたくさんあって、とても大変でした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

 40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

Willfriends

page top