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明治後期から昭和初期の大阪を舞台に、ヒロイン・藤岡てん(葵わかな)が、日本で初めて“笑いをビジネスにした女性”といわれるまでの波乱万丈な一代記を描いた連続テレビ小説「わろてんか」で、てんの夫・北村藤吉を演じる松坂桃李。「笑いは好きだが芸の才能はない」という役柄に安堵(あんど)の表情を見せる松坂が、役づくりへのこだわりや撮影時のエピソードと共に、2度目の‘朝ドラ’出演で痛感しているプレッシャーを吐露した。
5年前は、監督やプロデューサーさんがサポートして下さっていたので周りが見えていなかったけれど、今回は前回より視野が広がったと思います。だからこそ、“朝ドラ”は大変で難しく、非常に大きなことをやっていると今実感しています。台本がどんどん出来上がっていくので、1日1日心の準備をして役柄を構築していかないと、置いていかれてパニックになるし、俳優だけでなく全スタッフが最高の働きをしないと完成し得ない作品だと痛感しています。
最初は、ヒロインという立場上「自分がしっかりしなきゃ」という意識があったのか、周りの人と話しをするというよりは、1人で頑張っている感じがありました。でも今は、与えられた役に真剣に取り組む一生懸命さは変わらないけれど、皆と打ち解けてワイワイやっていてかわいらしい方だなと思います。
気持ちのぶつけ方が非常にストレートなので、見ていて気持ちいいです。うそをつかず、細かいことや後先を考えずに真っすぐに進むところも魅力的です。僕は、大きいことは怖くて言えなかったり、できなかったりするけれど、彼はそういう不安をはねのけて実行に移す強い勇気があるので、格好いいと思います。
監督からは「芸事はやるけど、そんなにうまくやらなくていいよ」と言われましたし、僕もうまくできる自信はないです(笑)。劇中、太神楽や手品、イノシシのかぶり物をかぶって舞台上を暴れ回ったりしましたが、それらを通して藤吉が芸事を好きであることを僕自身が身を持って実感したので、あえて役づくりをするというよりは、芝居の中で自然に藤吉を作っていった感じです。
自分では(劇中で)やっていませんが、落語は難しそうだけれどやりがいがあるなと思って見ています。個人的にもちょっと兆戦してみたいですね。逆にコントは、劇中で演じるのならいいですが、本格的にやるのは怖くてできないです…。
心の薬みたいなものです。嫌なことやつらいこと、悔しいことがあった時に見るお笑い番組は、ネガティブな感情を笑いでスッキリさせてくれて、気持ちを明日に向けて切り替えることができます。
神奈川出身で、ここまで本格的に大阪弁に取り組んだことがなかったので、イントネーションの違いなどで難しさを感じています。だんだん体になじんできましたが、最初のころは本当に苦労して、英語を勉強しているような感覚でした。正直、普段からテレビなどで関西出身の芸人さんのしゃべりを聞いているから、いけるんじゃない?と思っていたけれど、とんでもなかったです…。でも、大阪弁は人との距離感が近くなりやすいのが魅力ですよね。現場に入った時にスタッフさんたちのウエルカム感が伝わってきてうれしいです。
そのシーンの相手役が新井美羽ちゃんや鈴木福くんで、実年齢の差がかなりある状態だったので、話すテンポや声のトーンは考えましたし、たとえば背丈がちぐはぐな感じをできるだけ軽減できればいいなと、なるべく立たずに、しゃがんでお芝居するように心掛けました。それから動きも若々しく、きびきびと見えるように意識しました。
僕はマメではありません!(笑)。これは本当に直したいんですけれど、どうやったら直せるのかな…。よくマネジャーさんにも「アンケートまだですか」とか「3日前にも言いましたよね」とか怒られています。もうすぐ30歳になるのに「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」をいまだにできていないと思うと、恥ずかしいです…。
マメじゃないですからね~。妄想の中ではうまくいくと思うんですが、現実で妄想通りにいくかというと…難しいかもしれないです(笑)。
(取材・文/錦怜那)
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