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映画『逆光の頃』の特別試写会が27日、東京都内で行われ、主演の高杉真宙、葵わかな、小林啓一監督、原作者のタナカカツキ氏が登壇した。
本作は、30年前に連載されたタナカ氏の名作コミックを実写映画化。古都・京都を舞台に、高校2年生の赤田孝豊(高杉)が、友人との別れ、幼なじみの少女(葵)との淡い初恋などを経験しながら成長していく姿を描く。
小林監督は「30年前に初めて読んだ当時は、他人にこの漫画の何がいいのかをうまく説明できなかったけど、良いモヤモヤがずっと残っていた。今回、みんなにこの気持ちを味わってもらいたいと思い、作らせていただいた」と映画化の経緯を語った。
30年越しのオファーにタナカ氏も「大して売れた漫画でないのによく見つけていただいた」と驚きつつ「映画を見た方が、原作どんなんやろ…と手に取ってくれたら。便乗商法なんかもいいな」と冗談を交えながら語った。
今回、初めて原作に触れたという高杉は「独特の世界観。漫画だけどすごく絵が芸術的でせりふも詩的。不思議な感覚になってどんどん引き込まれた」と感想を述べた。
演じるに当たっては「この世界観をどう表現したらいいのか最初はちょっと悩んだ」というが「他のキャストの方に助けられた。いろんな人に“乗って”出て来るキャラクターだなと思った」と現場での役づくりを振り返った。
ヒロインを演じた葵も「漫画が持っている雰囲気を、リアルな人間がどうやって演じたらつなげられるかなとすごく悩んだ」と苦労を明かしつつも「漫画も好きだし、挑戦できて楽しかった」と語り、笑みを浮かべた。
本作の内容にちなみ、自身の“淡い青春の思い出”を尋ねられた高杉と葵。葵が「割と、光り輝いていない青春時代を送っていたタイプですもんね」と話すと、高杉も「周りの光を見ていたので。その日々が、逆光…。まぶしいなって」と苦笑い。
それでも高杉は「今思えば何げない日々が、割と青春だったなと思う」とし「この映画を見ると、すごく(自分の思い出が)美化されて返ってくるんですよ」とほほ笑んだ。
映画は7月8日から公開。
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