「てんちゃんの成長ぶりを見守って!」試行錯誤した笑顔と役づくりに手応え 葵わかな(藤岡てん)【わろてんか インタビュー】

2017年9月27日 / 10:00

 明治後期から昭和初期の大阪を舞台に、ヒロイン藤岡てんが、愛と笑いと勇気をもって家族や仲間たちと懸命に生き、日本で初めて“笑いをビジネスにした女性”といわれるまでになる様子を描いた連続テレビ小説「わろてんか」。3回目のオーディションで、朝ドラヒロインという夢をつかんだ葵わかなが、自分とは真逆のてんの性格や、その輝く笑顔に困惑しつつも演じ上げるヒロイン像やドラマの見どころ、撮影時のエピソードなどを語ってくれた。

藤岡てん役の葵わかな

-念願の朝ドラの舞台に立った感想は?

 最初はあまりプレッシャーを感じていませんでしたが、撮影が始まると、プレッシャーってこういうことかな?と感じ始めて、まともに背負ったら押しつぶされそうだから、どう避けるかばかりを考えていました。でも今は、周りの皆さんが助けて下さると気付いたし、ドラマは皆で作るものだと実感しているので、その中で私にできることとして、助けてくださる方たちのために、てんちゃんみたいに笑っていることを心掛けています。

-朝ドラの撮影は約10カ月に及びますが、5月19日にクランクインしてから、そろそろ折り返し地点にかかる今の気持ちは?

 撮影期間が長く、撮影中に失敗したり、足りなかったと気付いたことを次のシーンに生かせるので、まだまだここからが始まりと言っても過言ではないです。試行錯誤という言葉がぴったりで、毎日何かしらの気付きがあって、それに挑戦して…という繰り返しで、あっという間に過ぎた4カ月だったので、残りの6カ月もすぐに終わっちゃうんじゃないかなと思います(笑)。

-てんは、「笑って生きること」を人生の目標にしていますが、そんな彼女とご自身との共通点や相違点はありますか。

 私はすごくネガティブで、熟考して物事を進めるタイプなので、楽天的なてんちゃんと自分はかけ離れていると思います。でも、どんなに落ち込んでも、てんちゃんが気持ちをポジティブに変換できるところは魅力的なので見習いたいです。

-では、自分とは真逆のてんを演じる上で、どのような役づくりをされましたか。

 監督に言われて、表情の引き出しを増やす練習をしました。特に笑い顔はドラマのキーポイントなので、顔全体で笑ったり、体を使って笑ったり、年齢に合った笑い方をしたり、日々変化させています。どうして自分がこんなに笑顔が輝くてん役に選んでいただけたのかよく分からないので、精いっぱいの日々です(笑)。

-まだ、てんが自分にフィットしていない感じですか。

 以前はてんちゃんと自分を別ものと捉えていて、てんちゃんはこう考えるけど、私はこう考えるみたいに思っていましたが、最近はてんちゃんの気持ちなのか、自分の気持ちなのか分からなくなるぐらい2人がつながっている感覚が強くなってきたので、違和感はないです。

-笑顔以外で苦労していることはありますか。

 年が重なっていく部分は経験したことがないので難しいです。そのうち、自分の子どもを世話するシーンも描かれると思うのですが、そういうところは経験がないとあらが出てしまうのかなと思います。普段、子役さんと触れ合っている時にも、子どもってこんなに重たいんだとか、こんなに動くの?泣くの?と初めて感じることばかりで、てんちゃんと一緒に19歳の私も大人になっていかなければいけないけど、10カ月で急に大人になるのは難しいから大変です。

-そういう悩みを夫・藤吉役の松坂桃李さんに相談することはないのですか。

 松坂さんは「てんと藤吉の話でもあるから何でも相談してね」と言って下さってうれしかったです。それをきっかけに、監督やスタッフさんにも自分が思っていることをしっかり話すことができたし、皆さんの思いも聞くことができ、意志の共有ができて良かったです。

-先日、前作の「ひよっこ」がクランクアップし、ヒロインを務めた有村架純さんが号泣していましたが、葵さんはどのようなゴールを目指して走り切りたいですか。

 ゴールを考えると、その手前のてんちゃんが50代であることを考えなければいけないし、そうなると40代、30代のことも考えなければいけないから不安しかないです(苦笑)。でも今は、もう一度チャンスがあるなら、またヒロインをやりたい!というぐらいの余裕みたいなものがあって、現場も楽しいので、それを持ち続けてゴールしたいです。スタッフ、キャストのファミリー感が強いので、10カ月限定の家族と力を合わせて、悔いがないように最後まで頑張りたいです。

-ドラマのどこを注目して見てもらいたいですか。

 展開が早く、第4週には京都編から大阪編に突入するし、そうなると衣装も、全体の色味、トーンも、違うドラマなんじゃないかというぐらいガラリと変わるので、その変化に注目してもらいたいです。それから、監督が「てんは最初から何でもできる女の子ではなく、いろんな人と出会い、たくさんのことを学んで経験を積んで、一歩一歩階段を上って寄席の経営者になっていくようにしたい」とおっしゃっていて、私もそういう意識で演じているので、てんちゃんの成長ぶりを見守りながらご覧いただければ、より面白いと思います。

-最後に、最近一番笑ったことを教えてください。

 笑い過ぎて一つに絞るのは難しいですが、松坂さんがマイブームにされている「情熱大陸」(ドキュメンタリーTV番組)のナレーションのまねが面白かったです。例えば、照明スタッフさんの働きぶりを見ながら、「彼は光を追い続ける…」みたいに格好いいナレーションを当てるのですが、そうすると、そのスタッフさんがいつも以上に格好よく見えるんです。そんなふうに毎日大笑いしています。

(取材・文/錦怜那)


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