【インタビュー】『破裏拳ポリマー』溝端淳平「いい影響を与えてくれる人は、皆、僕にとってはヒーローだと思います」

2017年5月10日 / 08:00

 ガッチャマン、キャシャーン、ヤッターマンなどを生んだタツノコプロの創立55周年記念作品『破裏拳ポリマー』が5月13日から公開される。本作で、元ストリートファイターにして、探偵、そして奥義“破裏拳”を操る主人公・鎧武士(よろい・たけし)を演じた溝端淳平は、今回が本格的なアクション初挑戦となった。

撮影:中川良輔

撮影:中川良輔

-これまでのイケメンでいい人の役から一転し、今回は初のスーパーヒーロー役でした。オファーが来た時の心境は?

 ヒーローものには一生縁がないと思っていましたし、今回は変身後のアクションもやるということも聞いたので、いいチャンスを頂けたなという感じでした。がっつりアクションもできるし、役柄としても、ちょっと変わったやつという武士のキャラクターはおもろいなと。それで、どこか欠点や隙のある人物というふうに演じてみようと思いました。

-今回はアクションがとても激しかったですね。

 事前にトレーニングはしましたが、細くて締まった体の方がカンフーの動きに合うと思ったので、あまり筋肉をつけないように気をつけました。これまでは、アクションは作品のワンセンテンスとしか思っていなかったのですが、今回坂本(浩一)監督から直々に教えていただいているうちに、アクションも普通のお芝居と一緒なんだなと思いました。アクションは運動能力や動きのキレはもちろん、目線の動かし方や、戦う前にどういう表情をするか、どういうふうに歩くかなどを表現することも大事で、それは普通のお芝居と同じです。だから、お芝居の延長線上で、激しい動きで表現するのがアクションなんだなと気付きました。それが分かったのが今回の一番の収穫でした。

-ハリウッドのヒーロー物は意識しましたか。

 『アベンジャーズ』シリーズのファルコンの吹き替えもやっていますし、大好きです。今回のアクションスーツは、スパイダーマンの物と同じ生地だったそうですが、ぴちぴちで伸びないのでアクションをするのが大変でした。劇中では機能性があるように見えますが、実際は機能しない(笑)。見た目重視でしたね。

-本作には刑事役の山田裕貴さんとのバディ(相棒)ムービーの要素もありましたね。

 山田裕貴くんとは初日の撮影から信頼関係が築けました。女性陣(原幹恵、柳ゆり菜)には監督のサービスカットが多いなと感じました(笑)。神保悟志さんとはアクションスーツの話をし、長谷川初範さんは倉田保昭さんとジェット・リーの話をしてくれました。男は幾つになってもヒーローやアクションの話をすると熱くなりますから、とても楽しかったです。みんな明るくてとてもいい撮影現場でした。続編ができたらいいなあ。

-溝端さんにとってのヒーロー像は?

 つらい時や迷っている時に会いたくなる人。何か元気をくれる人。俳優の先輩、監督さん、地元の友だち、家族…。自分を救ってくれる、いい影響を与えてくれる人はみんな、僕にとってはヒーローだと思います。

-では本作の見どころを。

 ただのヒーローではなく、武士には弱さがあったり、かわいい部分があったり、ポップなところがたくさんあるので、女性や子どもたちにも楽しんでいただけると思います。コメディーの要素とハラハラドキドキするところ、武士の過去についての描写などは心にグッとくるので、とてもバランスのいい映画に仕上がったと思います。実は、変身後もほとんど自分でアクションをしているんです。あまりCGを使っていない生身のアクションが見どころです。かなり本格的なカンフーアクションを堪能できる映画に仕上がりましたので、ぜひご覧いただきたいです。

(取材・文:田中雄二/撮影:中川良輔)

(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会

(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」。明治初期、松江の没落士族の娘・小泉セツと著書『怪談』で知られるラフカディオ・ハーン(=小泉八雲)夫妻をモデルに、怪談を愛する夫婦、松野トキ(髙石あかり)とレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ) … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

 宮藤官九郎が作・演出を手掛ける「大パルコ人」シリーズの第5弾となるオカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」が11月6日から上演される。本作は、「親バカ」をテーマに、離婚を決意しているミュージカル俳優と演歌歌手の夫婦が、親権を … 続きを読む

Willfriends

page top