【真田丸 インタビュー】藤本隆宏(堀田作兵衛) 「作兵衛はドラマの中で『戦は嫌なんじゃ』と言っている唯一の存在」

2016年2月21日 / 00:05

 NHKの大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田信繁(堺雅人)に忠誠を誓う地侍で、農民を束ねるリーダーとしても活躍する堀田作兵衛を演じている藤本隆宏。妹の梅(黒木華)が信繁の最初の子どもを産み、信繁とは強い絆で結ばれる作兵衛の心意気を藤本が語る。

 

堀田作兵衛役の藤本隆宏

堀田作兵衛役の藤本隆宏

-出演が決まった時はいかがでした。

 歴史好きで歴史ゲームも好きになり、特に『信長の野望』が大好きなんです。その憧れの戦国時代の、しかも大河ドラマに出させていただくことは一つの大きな夢を達成できた測り知れない喜びでした。

-では、好みの世界観ですね。

 真田の漫画や小説も昔読みましたしね。

-「真田丸」の台本を読んで感じたことは?

 自分には三(枚目)の線のせりふが多いんですが、三谷幸喜さんにはそう見えているのでしょうか。自分では分からなくて(笑)。

-堀田作兵衛の役作りはどのように?

 資料にもあまり書かれていないので、台本からイメージしているだけです。戦は好きではなくて、妹思い。信繁のことや真田の土地を愛している。あの時代を懸命に生きている男だということですね。

-黒木さんとは「花子とアン」でも共演していますね。

 でも、こんなに密に一緒にお芝居したのは初めてです。黒木さんは真実味のあるお芝居をきちんとされるので、とてもやりやすかったです。

-堺さんはいかがですか。

 最初にあいさつした時は堺さんでしたけど、今は信繁としか見えません(笑)。今後成長していく信繁の演技をどう変えていかれるのかすごく楽しみです。

-作兵衛も成長して変わっていきますよね。

 早く実年齢に近づかないかなと思っていますが(笑)。でもやっぱり、大坂の陣で信繁のもとに駆けつけるところが自分の見せ場だと思います。やりを持って駆けつけて一緒に討ち死にするなんて、なんてドラマチックなんだろうと思います。それと関ヶ原の戦いの前にたもとを分かつ信幸と信繁兄弟のどちらに付くのかが分かった段階で、(演技に向けた)自分の中の気持ちの整理をしておかないといけないと思っています。どう表現できるのかすごく楽しみです。

-今後楽しみにしているところは?

 「真田丸」というドラマは、初めは真田家のホームドラマのようですが、その後は、一家が戦国の波にもまれていく様子が描かれていきます。毎回いろんな要素が組み込まれていますし、そこを見てほしいですね。

-合戦シーンへの憧れは?

 かっこよく殺陣をしてみたいというのはありますが、うまくやると「ちょっと良過ぎる」と言われてしまうんです。農民の地侍が戦っている殺陣ですから、脇を広げて割と不格好にやった方がいいんですよ。

-しかし、やりの扱い方はかっこいいですよ。

 実は劇団四季に在籍していた時も蜷川幸雄さんの舞台に出た時も、アンサンブルメンバーの1人としてやりを持つことが多かったんです(笑)。劇団四季の時はやりを振り回していましたから。堺さんに褒められました。

-その堺さんの殺陣はいかがですか。

 うまいですねえ。かなり練習をされていると思いますが、あんなにしなやかに動ける人は見たことがないです。中心が全くぶれませんから。

-戦国を生き残るためにみんなが戦っている様子を見てどう思いますか。

 みんな戦いの後の平和を求めていたはず。そういう思いが戦国の世もあったと自分は捉えています。作兵衛はこのドラマの中で「戦は嫌なんじゃ」と言っている唯一の存在だと思うので、その気持ちをちゃんと表現していかないといけないと思います。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、ついに『アンパンマン』の誕生にたどり着いた。 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

 中山優馬が主演する舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~が10月10日に再始動する。本作は、天藤真の小説「大誘拐」を原作とした舞台で、2024年に舞台化。82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り、百億円を略取した大事件を描く。今 … 続きを読む

Willfriends

page top