【真田丸 インタビュー】迫田孝也(矢沢三十郎頼幸) 「真田だけでなく徳川も上杉も僕が和ませます」

2016年2月9日 / 16:30

 NHKの大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田信繁(堺雅人)や兄の信幸(大泉洋)に付き従う真田家家臣の矢沢三十郎頼幸を演じる迫田孝也。堺らとの関係づくりの妙を語る。

 

矢沢三十郎頼幸役の迫田孝也

矢沢三十郎頼幸役の迫田孝也

-出演依頼を受けた時はどんな気持ちでしたか。

 「はい、喜んで」というのが表の声だとしたら、内心では「おいマジかよ。矢沢? やばい、知らねえー」って感じでした(笑)。

-放送後、周囲からの反響は?

 第1回放送の夜はずっとポケットの中で携帯電話が振動していました(笑)。父も喜んでくれていました。

-三十郎頼幸をどう演じていこうと思っていますか。

 父の頼綱から受けていた、武士としての英才教育で身についたものに加えて、お仕えする奔放な源次郎(信繁)様と実直な信幸様からそれぞれ違った影響を受けながら成長していく。そんな感じを楽しんでいるところです。

-実在した人物を演じるのはいかがですか。

 やるのは僕ですから、三十郎頼幸は僕が世に出す、というぐらいの気持ちでやっています。

-源次郎には疎まれながらも付いていくというイメージです。

 全力で近づこうとしても、向こうも全力で逃げるので(笑)。でも堺さんや大泉さんにはフレンドリーに接していただいているので、遠慮なく距離を詰めようとしています。

-いきなり堺さんと二人だけのシーンでしたね。

 緊張しました。でも撮影が終わった時に堺さんの方から食事に誘っていただきました。あれがあったから僕は、源次郎様と三十郎の距離が縮まったと思っていて、感謝しています。

-従うだけでなく源次郎を叱ったり励ますシーンもあります。今後の見せ場では?

 あの時は、火が消えそうな源次郎様の背中を見て、「この人を立ち直らせるのは三十郎しかいない」という気持ちになりました。だからお芝居というより、その後の物語につなげていくためにももう一度この人を奮い立たせなくてはならないという気持ちになって、僕の中でスイッチが入りました。撮影を思い返すだけで涙が出てきます。

-監督さんにばれない程度に目立つための作戦があれば。

 必ず源次郎様の後ろにいるので、隙間を見つけて(カメラに顔が入る位置に)入っていくように心掛けていました(笑)。監督さんにはたまに「煩わしい」と言われることはありますけど、ばれても負けずにやっていこうと思っています(笑)。

-「真田丸」にどんな痕跡を残そうと思っていますか。

 共演の方たちは「やっぱり一線級だなあ」と思わせられる方たちばかりで、時々心が折れます(笑)。だからむしろ撮影現場のムードメーカーをやりきることではないかと。元気だけでしょうが、盛り上げます。真田だけでなく徳川も上杉も僕が和ませます。

-三谷幸喜さんはどんな存在ですか。

 特別な存在です。映画の『12人の優しい日本人』を見て「この人とお仕事がしたい」と思って東京に来ました。『ザ・マジックアワー』のオーディションで選んでいただいて以来、いろんな作品に出させてもらっているので、導いてくれている人ですね。

-小山田茂誠を演じて人気の高木渉さんとはプライベートでも仲が良いとか。

 2011年に共演して以来です。昨年9月のクランクイン後の4カ月ぐらいは、撮影に参加していても放送前なので「本当に大丈夫なのか、俺たちは」と不安になっていました。でも、高木さんと酒を飲むことでそれが半分になりました。


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