【軍師官兵衛インタビュー】田中圭 「三成が秀吉をコントロールしているつもりで演じている」豊臣政権を支えた石田三成役

2014年8月22日 / 17:20

 NHKで放送中の大河ドラマ「軍師官兵衛」で、豊臣秀吉(竹中直人)の右腕として政権を支え、やがて黒田官兵衛(岡田准一)やその長男長政(松坂桃李)とも対立する石田三成を演じている田中圭。

  後方支援や領国の管理などの行政実務に抜群の才能を発揮した三成は、豊臣政権内での地位を強固なものにしたが、秀吉の死後、徳川家康(寺尾聰)の台頭に有効な手が打てず、関ヶ原の戦いへと追い込まれていく。近年舞台での活躍も目立ち、演技力への評価が高まっている田中が、悲運の武将の奮闘を語る。

 

石田三成役の田中圭

-石田三成にはどんなイメージを持っていましたか。

  五奉行で秀吉の側近といった知識でした。三成公のお墓参りをする機会があったときに「あなたの役をやることになりました」と報告し、「三成の世の中のイメージを、僕が変えます」と約束したんです。自分なりの三成を表現するために、始めは好青年に演じようと思っていたのですが、後半になるにつれてかなり悪いんです。だから三成を“いいやつ”として演じることは、いつか三成が大河ドラマの主役になったときの演じる方にお任せします。官兵衛とどう敵対して、どう嫌われるのか。そういう三成を演じた方がきっと面白い。撮影を終えてもう一度お墓参りに行くときは、あらためて今回の三成について報告したいと思います。

-“悪い感じ”を出す演技は難しいですか。

  必死です。自分で言うのも何ですけど、あまり顔が悪く(見え)ないので。でも、あまり悪くしようとし過ぎると自分が思っている感覚と懸け離れていってしまうので、なるべく自然に、でも軽くなり過ぎないようにしたいと思います。

-官兵衛と三成、対立する二人の関係をどう演じていきますか。

  三成は武将というよりも軍師寄り(の立ち位置)で、官兵衛と三成にも互いに尊敬する気持ちや絆もあると思います。だから敵対するというよりも、一方的に官兵衛に嫌われようと思っています。織田信長に謀反を起こした荒木村重役の田中哲司さんが官兵衛を幽閉したときに「世間の目が痛かった」とおっしゃってました。なので、僕もそうなるのかなあ…とすごく楽しみです(笑)。

-二人の間には秀吉がいて、男の嫉妬心というのが背景にあると思うんですが。

 三成にはありますね。官兵衛が隠居するって言い出したときも、三成は「いいじゃないですか。本人が隠居すると言っているんですから」というようなことを秀吉に言います。すると秀吉から「わしと官兵衛のことにはもう口出しをするな」と言われて、どうしても官兵衛を超えられないと感じてしまう。そういう嫉妬心があるんでしょうね。

-三成の正義は「豊臣政権を守る」というところにあるのでしょうか。

 どうでしょうか。僕はむしろ三成が秀吉をコントロールしているつもりで演じています。千利休の切腹も官兵衛の隠居も全部秀吉にそうさせるように三成が仕向けている、という捉え方でやっています。利休に「石田さまはなんのために戦っていらっしゃるのですか」と聞かれて「むろんそれは豊臣家のため」と言うシーンがありますが、果たして本心なのかなと思いました。三成は智恵が回るというよりもなにか妄想を抱いている感じがします。もちろん秀吉への忠義の気持ちはありますが、今回の大河ドラマ「軍師官兵衛」はその秀吉をもコントロールできてしまうという描き方の方が面白いと思っています。

-岡田准一さんの俳優としてのすごさはどういうところにあると思いますか。

  全く気後れしていないところです。ご本人は上からものを言う人ではないのですが、いったん官兵衛になると、官兵衛であることに全くぶれない。なんか、男としてほれちゃいます。

-寺尾聰さんの家康もいよいよ表舞台に出てきました。

 「こうなったら(西軍が)関ヶ原で勝っちゃいましょう」という気概はあります。結構本心で。回を重ねるごとに家康と対立できるような存在に三成を変えていきたい。「もしかしたら勝ってしまうのでは」という思いを自分では持っていたいです。でもたぶん勝たせてはくれないですね(笑)。


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