【軍師官兵衛インタビュー】陣内孝則「岡田准一くんはスケールが大きい」 演じた宇喜多直家の人気に驚き

2014年4月28日 / 14:44

宇喜多直家役の陣内孝則

-直家は官兵衛のことをどう思っていたとお考えですか。

 才能を買っていたと思います。でも買ってはいるけれどそれを利用しようという気持ちもあったんじゃないかと思います。官兵衛を媒介として生き延びてやろうというしたたかな計算があったんじゃないかなと。

 -官兵衛が“怪物”と称していたほどの直家を演じるに当たってのポイントはありましたか。

  僕自身は軽妙なイメージが強いのであまり軽くなっても困るかなと思いました。大河に出たときぐらいは役柄に重みを持たせて演じたいと思っていました。僕に回ってくる役はエキセントリックなものが多いので…(笑)、多少の狂気を秘めた骨太さみたいなものを目指してやっていました。

-官兵衛とのやりとりで気を付けたことはありますか。

 「おまえは目がきれいだな」というせりふ一つでも「こいつは誠実な男だな」という思いに「おまえの家は目薬屋から成り上がってきたんだろう」という皮肉も込めている。そういうふうにいろいろな意味を含めて表現したつもりです。面白味がある代わりに難しい役でもあったなと思います。

 -岡田さんの印象や収録中のエピソードをお聞かせください。

  岡田くんは役に対して本当に真摯(しんし)で誠実です。多くの視聴者の方は、岡田くん演じる官兵衛がいきなりスーパーヒーローとして登場することを望んでいたと思いますが、彼は青年期から成長していく姿をきちんと誠実に演じています。等身大で演じているところに好感が持てたし、すごくいいなと思いました。回を追うごとにどんどん官兵衛の存在感が増してくるのもちゃんと下地があるからだと思う。彼は主役の芝居をしているんだなと感じます。これからもどんどん変貌を遂げていくだろうし、彼なりの官兵衛像を作っていくことを期待しています。岡田くんは主役としてのスケールが大きいですよ。新しい官兵衛像にしっかりアプローチしているし、ちゃんとスケール感を出しているなと思います。

-ほかのキャストについての印象はいかがですか。

  官兵衛を取り巻く栗山善助(濱田岳)、井上九郎右衛門(高橋一生)、母里太兵衛(速水もこみち)の3人がすごく魅力的です。あの世代は、いわゆる“ザッツ時代劇”“ザッツ大河”みたいな演技をしないので新鮮でいいですね。かといって浮いてもいない。そのコントラストがすごくいい。もこみちくんは誠実に時代劇たらんとしているし、一生と岳は非常にリアリティーのある今どきの芝居をしていると思います。

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