松岡充、吉行和子と映画W主演 『御手洗薫の愛と死』

2014年1月20日 / 15:51

ヘアメイク:平野仁美

 映画『御手洗薫の愛と死』で女優の吉行和子とW主演を務めたSOPHIA(現MICHAEL)の松岡充がインタビューに応じた。

 本作は、人身事故を起こした有名作家の御手洗薫(吉行)が、被害者の息子で若手作家の神崎龍平(松岡)のゴーストライターとなったことをきっかけに、やがて2人の間に芽生える不思議な“愛”と関係を描く。

 松岡は「どんな世界でも、才能があっても経験値が浅かったり、人と出会えていないことで埋もれていく才能はたくさんあると思うし、それを自分で分かっているからこそ、もがいている若いクリエーターや表現者はたくさんいると思う。僕もかつてはそうだったし、今回演じた龍平もその一人」と語った。

――オファーを受けた際の率直な感想からお聞かせください。

 一番最初に大賀文子プロデューサーからお話を頂いたんですけど「音楽を現役でやっているのと同時にお芝居も経験している松岡充というアーティストと作品を作りたい」という口説き文句を頂いて。一番うれしい誘われ方でした。「この役があるからどうですか?」ではなくて「あなたとやりたいから、あなたにしかできない役を作りたい」というオファーのされ方をしました。

――以前、松岡さんが小説を執筆されたことも踏まえての役柄なのでしょうか?

  吉行さんと僕の役に関しては、あて書きをしていただきました。多分それも加味されているとは思うのですが、要は龍平が小説で自分の世界観や自分の存在意義というものを表現したい人間であったと同時に、松岡充としてはそれが音楽や演技だったりということなんだと思います。表現方法が違うだけの話で、多分“僕”なんですよね。

 ――ドラムセットがある龍平の部屋は、松岡さんのイメージを両沢和幸監督が表現したものですか?

  そうだと思います。僕は何も言っていないんですけど、あのセットも部屋を借りて、映画の美術スタッフさんがあの中(の空間)を作ってくれて撮影しました。初めて行ったときにびっくりしたんですけど、僕が以前、一人暮らしをしていた部屋とそっくりなんです。置いてある物とか、配置とかが本当にそっくりで、監督が僕のすごく個人的な趣味みたいなものも読み取ったのかなという感じで、どこまで知ってるんだと本当にびっくりしました。

――愛されていると感じますね。

 本当にそうです。ドラマや映画ではほとんどないのですが、映画のクランクインの3週間前からとある会場を借りて、そこでずっと吉行さんと稽古ができたんです。僕らの気持ちの準備も整って来るし、そういう期間や、僕が元々やってきたことを加味してくれてのこの作品への導きだったので、とても演じやすかったです。

 
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