【軍師官兵衛インタビュー】中谷美紀、「岡田さんはリーダーになる大きな器の方」 官兵衛の正室・光役で大河初出演

2014年1月25日 / 05:00

 女優の中谷美紀が平成26年NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に、黒田官兵衛(岡田准一)の正室・光(てる)役で大河ドラマに初出演する。光は官兵衛の主君である小寺政職の縁戚・櫛橋家の次女。おてんばで率直な物言いをし、戦で城を空けがちな官兵衛に代わり、城を守る黒田家の“女主人”を演じる。第4回から登場。

 物語は智力をもって戦い、生涯五十幾度の合戦で一度も負けなかった黒田官兵衛の生涯と乱世を描く。政職による政略結婚ながら夫婦の絆は強く、官兵衛は生涯、側室を持たなかったという。昨年8月27日にスタジオでクランクインし、その後の岩手県江刺ロケでは、光の初登場で官兵衛との出会いとなるシーンを撮影。大河初出演への意気込みや夫婦を演じる岡田の印象を聞いた。

 

官兵衛の正室・光を演じる中谷美紀

--岡田准一さんとの共演はいかがですか?

 官兵衛はとても冷静沈着で思慮深い方。(豊臣)秀吉が太陽であるならば月のような存在であったような人物で、岡田さんはまさにふさわしく、佇まいの中に威厳をたたえているとてもすてきな方です。官兵衛を演じるべくして生まれていらしたのではないかと思えるほどイメージ通りです。歴史もよくご存じですし、おそらく人知れず影でお勉強なさっているのではないでしょうか。

 

--演じる光と中谷さんご自身の共通点について感じる部分はありますか?

 おてんばなところでしょうか。 官兵衛との最初の出会いのシーンが木登りをしているところ。木登りをして、官兵衛様にはしたないとたしなめられるのですが、それでも構わず木登りをするシーンがあって、そんな一面に共感を覚えます。

 

--大河ドラマ初出演で、これまで外から見ていた印象との違いはありますか?

 これまで拝見していた大河ドラマはそうそうたる熟練した俳優さん達がたくさんご出演されていて、その中に若手の俳優が入っていくのは恐れ多い気持ちでした。実際に入ってみると皆さん本当に温かい方ばかり。役者の皆さんもそうですし、スタッフの方々も大変優秀で、今回の現場は本当に明るい方々が多いんです。みんなで同じ志の下で気持ちよく作らせていただいております。

 

--光の女性としての魅力で何か感じていることはありますか?

 官兵衛が月のような存在なので、それに対して光は名前も光と書いて“てる”と読むぐらいですから、まるで太陽の光のように官兵衛さんを照らす、明るくて朗らかなところが魅力でしょうか。そんな存在であれたらいいなと思っています。時には幽閉されたり、あるいは息子を失うような悲しみに打ちひしがれることもあると思いますが、そのようなときに常に明るく夫を支えられる、ある意味現代においても理想の女性といえるのではないでしょうか。

 

--戦国時代がお好きとのことですが、これまで演じてこられた戦国の女性たちと光との違いはありますか?

 やはり特筆すべきは、官兵衛さんが側室をとらなかったからこそ、火花を散らすような場面もなく、本当に愛されておおらかに朗らかにいられたのではないかと思います。一方で、光の意志の強さや勝気な面を、官兵衛さんが本当に許してくださっているんです。それはこの時代においてとても珍しいことなのではないかと思います。

 

--この時代の女性の生き方について、どう感じますか?

 明日命があるかどうかも分からない時代に、生きることの尊さを教えられる素晴らしい時代だと思います。それを支えた女性たちはどれだけの思いだったのだろうと今も思います。私が演じる光もやはり自分の長男を(織田)信長の元に人質として差し出すシーンがあり、台本を読んでいて本当に涙が出てしまいました。本当に悲しかったしつらかった、それでも送り出さなくてはならない女性たちの思いを現代にきちんと表現したいと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

Willfriends

page top