【花燃ゆインタビュー】高良健吾 「高杉は繊細で優しいけど、思い切りぶっ飛ぶ力もある人」 奇兵隊を組織して活躍した高杉晋作役

2015年3月3日 / 17:45

 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、師の吉田松陰(伊勢谷友介)から久坂玄瑞(東出昌大)と共に最も期待された高杉晋作を演じている高良健吾。松陰の死後、上海で欧米列強にむしばまれる中国の現状を目にし、帰国後、過激な尊王攘夷運動を展開する。映画を中心に難役に挑む高良が、幕末の男たちのゆるぎない思いと松陰との日々を語る。

 

高杉晋作役の高良健吾

-役作りはどのようにしましたか。

 とにかく資料を読みました。皆さんがよく知っているのは事を成し遂げた後の高杉かと思いますが、僕が演じるのは塾に入る前からの高杉。最初から高杉晋作は高杉晋作ではなかったんです。

-高良さんならではの高杉をどのように演じようと思っていますか。

 すごく繊細で優しい人でもあるのですが、思い切りぶっ飛ぶ力もある人。ただかっこいいだけではなく、ダサいところもある。みんなが動いているときに動けない高杉もいた。コンプレックスやいろいろと胸の中に秘めたものを、表現できたらと思います。

-松陰は高杉をどう見ていたのでしょうか。

 「少し頭が固いがそれがいい」と松陰先生は言っています。松陰先生と出会ったころの高杉は自分からあふれ出てくるものをどうしていいか分からなかったんでしょうね。

 -高杉の運命についてどう思いますか。

 病死なので、戦って死ねなかったことは悔しかったでしょうね。でもそれよりももっと悔しいのは変わった世界を見られなかったことでしょう。

-同世代の共演者がたくさんいますね。

  新鮮だし、同年代が多くいるだけで(気持ちが)上がりますね。井上(真央)さんは同年代でありながら中心にいるし、ずいぶん以前に出会っていた(仲の良い)東出(昌大)もいます。彼が高杉とライバル関係にある久坂役というのも、きっと何かの縁ですね。

-主演の井上真央さんはいかがですか。

 尊敬するほかないです。真央さんはみんなが言いづらいことを表に立ってまず言ってくれる。先頭を切ってみんなを連れていくというのではなくて、いつの間にかみんなの真ん中にいて、みんながその渦に巻き込まれていくという感じです。

-高良さんの役者人生の中で、今回の高杉晋作役をどう考えていますか。

 20代前半は勢いだけでできる役が多かったけれど、27歳になって感じるのは、心身からあふれてくるものだけではなく、それをちゃんと言葉や感情にして(明確に)意識し、ちゃんと体の中に流していくことが必要なんだと思います。声を張り上げて暴れていれば傍若無人な演技にはなりますが、それだけでは表現したくない。静かな時でも心の中から煮えたぎる何かが出ていればいいわけですから。

-長州弁はどうでした。

 イントネーションで困ったことはないです。それに長州弁はすごく優しい。特に(松陰の母役の)檀ふみさんの「せわーない(大丈夫)」には浄化されますね(笑)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】“原爆の父”と呼ばれた男は一体何者だったのか『オッペンハイマー』/80年代と現代が交錯しながら合体している『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

映画2024年3月29日

『オッペンハイマー』(3月29日公開)  才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、第2次世界大戦中、核開発を目的とした米政府のマンハッタン計画において、原子爆弾開発プロジェクトの委員長に任命される。  だが、実験での原爆の威力 … 続きを読む

岡本圭人、岡本健一と2度目の親子共演への思い 「成長した姿を見せられたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年3月27日

 若村麻由美と岡本圭人、岡本健一が出演する舞台「La Mère 母」と「Le Fils 息子」が2つの劇場で同時上演される。同作は、劇作家フロリアン・ゼレールによる家族三部作のうちの2作で、若村が主演する「La Mère 母」は日本初上演、 … 続きを読む

「光る君へ」第十一回「まどう心」互いの思いとは裏腹に、さらに開くまひろと道長の距離【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年3月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。3月17日に放送された第十一回「まどう心」では、藤原兼家(段田安則)によるクーデター“寛和の変”の事後処理、およびそれに伴う主人公まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の行動が描かれた。  兼 … 続きを読む

【週末映画コラム】4K復元版で「ドル3部作」を一挙上映『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』

映画2024年3月22日

 監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネ、主演クリント・イーストウッドという伝説のトリオが放った「ドル3部作」(「ドル箱3部作」と表記されることも多い)が、マカロニ・ウエスタン誕生60周年を記念し、4K復元版として3月22日から一 … 続きを読む

「生への回帰というのがこの映画の目指したところです」荒木伸二監督、若葉竜也『ペナルティループ』【インタビュー】

映画2024年3月21日

 朝6時、いつものように目覚めた岩森淳は、恋人の砂原唯(山下リオ)を殺した溝口登(伊勢谷友介)を殺害する。翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、なぜか溝口も生きている。そして今日もまた、岩森は復讐(ふくしゅう)を繰り返していく。荒木伸二監 … 続きを読む

Willfriends

page top