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NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公で、兄の吉田松陰(伊勢谷友介)を信じ続け、松下村塾の塾生だった久坂玄瑞(東出昌大)の妻となった文を演じている井上真央。兄が処刑され、夫も命を落とす悲運に見舞われながらも、文は家族や塾生を支え、自らも奥女中となって毛利家に仕え、藩主の嫡男の守り役を務める。井上がドラマの中盤に向けての抱負を語る。
文が野山獄に入った兄に最後にできたことは、兄を日常に戻してあげることだけでした。その後、文が坂本龍馬さんに自分の思いを吐露するシーンがあるんですが、そこで心の中でもやもやしていた部分が晴れて、ようやく文は前を向けた気がします。兄の志は塾生が引き継いでいくんだというように考えて、前を向く姿が描かれていくと思います。
前半は、女性は待っているとか、おにぎりを持っていってあげるとか、そういうことしかできないのが歯がゆくもありました。国を変えるのだと意気込んでいる塾生たちに、日常の幸せを気付かせてあげるような役割しかできないものなのかとも思ったりもしました。でも徐々に女性なりの戦い方というものが増えていく中で、ようやく文が自分の足で歩いていく部分が出始めてきたところです。女性としての成長を感じます。
家に帰ってもんもんと考えたり、台本とにらめっこをしたりすることもあります。でも現場へ行くと、そういうことも忘れて、いいものを作らなきゃと思えるし、楽しいと思わせてくれる現場なのでありがたいです。
ええ、とてもいいですよね。男性が多い撮影だと「この役は史実ではこうだった」とか「筋肉のつけ方はどうする」とか、そんなことが話題なので、私が話に入っていけないことがあるんです(笑)。女性の間では足袋靴下がはやっていて、みんな気付いたら色違いのおそろいの足袋靴下を履いていたこともあったりして、とても楽しいんですよ。
杉家とは装いも違いますし、奥御殿には階級や激しい女の戦いもあります。まるで違う現場のようなので、どんなバトルをするのかちょっとドキドキしますね(笑)。
出会った人たちが次々と亡くなり、旦那さまもいなくて、女の城に入り、そして夫の血を継ぐ子どもが現れたかと思えば、義兄と再婚と、本当に波瀾(はらん)万丈なんです。でも文は人と出会うことでいろんなことを吸収して成長していった人なのだと思います。
相手を信じ切るのはすごく勇気や覚悟の要ること。その点、文の愛する人を信じる気持ちの強さはやはりすごいなと思います。
例えば人で傷つくことはありますが、救ってくれるのも人。人の言葉や共演者の花燃ゆへの思いを聞くと救われますし頑張れます。めげてはいられないなと。甘い物には毎日頼っていますけど(笑)
なぜ文という無名の人を主人公にしたのか。ここから意味が出てくると思います。時代に翻弄(ほんろう)されながらも生き抜く強さが、「花燃ゆ」を見ている人たちへの勇気や励ましにつながればうれしいです。いろんな人の死があって、悲しいシーンが続きますが、それは避けられないこと。やるからには希望をちゃんと描いていきたいですし、吉田松陰の魂を引き継いで生きていくたくましさや強さを視聴者の方へ伝えたいですね。いろんな人の思いを背負って毛利家の奥御殿へあがりますが、その文の生き方は、通常の幕末物にはないものが描かれていくと思います。
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