【花燃ゆインタビュー】大野拓朗「そうそうたる皆さんとお芝居ができるのが幸せ。目線が合うのがうれしくて」 兄の入江九一と共に松下村塾に入り、投獄後も倒幕の志士として活躍した野村靖役

2015年4月11日 / 08:09

 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、吉田松陰(伊勢谷友介)と、松陰に最後まで付き従った兄の入江九一(要潤)を信じ、松下村塾の塾生として活躍した野村靖を演じている大野拓朗。注目の若手俳優の一人に成長した大野が、兄との強い絆と幕末の青春像について語る。

 

野村靖役の大野拓朗

-出演オファーがあった時のお気持ちを教えてください。

 とにかくうれしかったです。今は、そうそうたる皆さんと一緒にお芝居ができるのが幸せです。1分1秒がとても刺激的で、お芝居をしながら、大沢たかおさんや北大路欣也さんと目線が合うのがすごくうれしくて、目をそらすものかと思っていました(笑)。

-北大路さんとはこれまでも共演の経験がありましたね。

 ええ。「三匹のおっさん」(テレビ東京系)というドラマです。大河に出演が決まった時は電話で「ご一緒させていただきます、殿」と伝えました(笑)。大河とは別のドラマの撮影現場でもご一緒することがあるのですが、そこでも大河の話をしたりしています。北大路さんがいてくださるのは本当に心強いです。

-勉強になるでしょうね。

  せりふの言い回しから、決めるポイント、目線の使い方まで、全てですね。

-野村靖という人物についてはどう思いますか。

  熱くて一生懸命で真っすぐなところと、すごく弱い部分の両方を持っていますね。根は優しいですし、家族思いなところもあります。

-野村は最初は弱々しい存在ですが、志を持って仲間と一緒に行動して、明治まで生きて天寿を全うしました。そんな彼の人生をどう思いますか。

 一番成長を見せられる役どころだと思います。最初は天真らんまんで、青さが残っていました。愛していた松陰先生が亡くなったことで心に深い傷を負いましたが、その後、自分が国を変えていこうと思い強くなっていく。そこに野村の成長があります。そして兄も亡くなったことで、「もう僕しかいないんだ」とさらに強くなる。明治になってからもずっと過激でしたし、松陰先生の言葉を後世に残す仕事もずっと手掛けました。個として、男として、侍として、どんどん強くなっていく感じを出せる役じゃないかなと思っています。不器用だからこそがむしゃらに頑張っているところも人間的です。

-ご自身と似ていますか。

  似ていますね。僕も不器用なので。野村と一緒に成長していけたらと思います。

-兄の九一を演じる要潤さんの印象は?

  クールな感じで優しいんですが、時々すごく変なことを真顔で言い出すんです。それがとても魅力的で、あんなふうに面白いことが言えるようになりたいと思います。

-塾生の中で、男として憧れる人はいますか。

 利助(後の伊藤博文)さん、というか、それを演じている劇団ひとりさんです。僕も人を笑顔にしたいという志を持ってこの仕事をしていますが、ひとりさんは現場をすごく盛り上げてくださるし、お芝居も面白い。これからはああいう要素も身に付けていきたいです。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

 元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

Willfriends

page top