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松寿丸という長男が産まれた後は子宝に恵まれず、武家の嫁としての務めを果たせていないのではないかと光はしばらく悩みます。そのときにも官兵衛さんは、「子は授かりものだから」「そんなに気に病むことはなく」と温かい心遣いをしてくれて、さらには同じ領内で親を失った子供をもらい受けて、その子供を自らの長男と同様に家族のように育て上げるという懐の深い人。そういう男性に愛された光は本当に幸せだと思いますし、またそのむつまじい姿もすてきだなと思っています。
難しさの裏で、資料がない分、何でもできるという自由度もありますので、そこは時代劇の魅力であり特権であると思っています。ご存命の方であったら、やはりそのご家族であったりご親戚であったりさまざまに配慮しなければならない方がいらっしゃいますが、誰も知らないからこそ、いかようにも描けますので、今からワクワクしています。
まずかっこいい! 容姿端麗でかつ冷静沈着な姿は本当にりりしくて。出会いのシーンが、木に登って下りられなくなった子どもを助けようとして、私が木に登ろうとするのですが、その後に官兵衛さんが自ら木に登ってヤマモモの実を採ってきてくれるんです。子どものために採ってきたんですけど、その一方で子どもが走り去った後に光にもそのヤマモモの実を差し出してくださる。そこでまず光はときめくんです。さらにその後、何事もなかったかのように馬で疾走して帰って行く後ろ姿が本当にかっこよかったです。
官兵衛さんにはどうしてもずる賢いというイメージがあるようですが、ただずる賢いのではなく、あるいはただけちなのではなく、世の中の先の先まで見通している、とても冷静で頼りがいのある方だと思います。実際に岡田さんも大変冷静でかつ自分より若い方にちゃんと目をかけてとてもかわいがっていらして、現場でもこちらがクスッと笑ってしまうような仲の良さで。私たちの子どもたちにも優しく接してくださって、あぁ、この人はリーダーになる人なんだな、大きな器の方だな、と思います。
どちらのご家庭においてもおそらく、奥さまというのはやはり一番強いものだと思いますので、だからといって自分が強いんだと威張るのではなくて、旦那さまを上手に立てつつ上手にのせつつ、疲れた夫をいたわり、日々の糧を与えてくださることに感謝しつつ、でもうまくリードできる賢い妻というのに憧れます。
これだけ長い時間を費やして一つの作品を作るのは私にとっては初めての経験ですので、まだこれからどうなっていくんだろうという思いです。だからこそ、この1年間を本当に大切に、この作品を育んでいきたいと思いますし、黒田家という家も守り、夫を支え、また子どもたちを育んでいきたいと思っています。
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