エンターテインメント・ウェブマガジン
今回は大統領役ということで、権力者なわけですから、落ち着きがあって、自分が背負っているものの大きさも表現しなければなりません。ところが、いかにも権力者というお芝居ではなくて、さりげなく自然にやっていながら、観客に威厳を感じさせるというのは、やはり役者としての長いキャリア故なのかなと思いました。彼の若い頃は、ただきれいなスターだと思っていましたが、年齢を重ねるうちに、いい俳優だと思えるようになったので、せんえつですけれども、そう感じさせるところがハリソンさんの魅力だと思います。
特に難しいと感じたところはないですけど、日本語吹き替えの演出の方から、吐息や吸息といった息の使い方から、何かを考えている時の声というようなところまで、細かく指示をしていただいたので、難しいといえば難しかったけれど、楽しいといえば楽しかったという感じです。今回はいろんな意味で勉強になりました。
派手なアクションと人間ドラマがうまくミックスされていて、ただの漫画みたいなものではなくて、人間が成長する姿や他者との関係性が描かれています。若きキャプテン・アメリカは、アベンジャーズを再開したいと思っていて、その中で悩みながら成長していく。一方のロスはレッドハルクになっていく…。ハリソンさんはこんなこともやるんだ。すごいと思いました。彼の表現の仕方が素晴らしくて、彼が楽しみながらやっていると感じました。
最近はダーティなヒーローもいますが、やっぱりスカッとする昔ながらのヒーローものであるところがいいですね。今回も、正当なヒーロー、美しいヒーローという感じがしました。僕が若い頃に見ていたスーパーマンもそうでしたが、正当なヒーローを見るといいなと思います。
他人のお芝居に声を当てるわけですから、そういう意味では僕の仕事の中では一番難しいです。あとは日本語と英語なのでリズムが違います。ただ僕は、ハリソンさんをやることが圧倒的に多いので、演じているうちに、こういう言い方をするのかとか、彼の癖がだんだんと分かってきました。さっきお話した息の使い方も含めて細かいお芝居をなさる方なので、そのタイミングなども分かっていた方がいいと思います。彼の演技を何回もスローで見ていると、こういう表現をするんだという発見があります。それが自分が演技をする時のヒントになったりもするので、難しいけれど楽しいところもあります。今は吹き替えの技術も発達したので、昔よりもだいぶ楽にできるようになりました。
ハリソンさんよりも僕の方がちょっと声が低いんです。ハリソンさんは、例えばインディがヘビと出合って興奮した時などは高い声もお使いになるように、全体的にちょっと高めなんです。それは意識していましたが、今回は年齢もあってか落ち着いた、渋い感じの声でした。
やっぱりキャプテン・アメリカがどのように成長していくのかというところでしょうか。彼(アンソニー・マッキー)は本当にスマートな美しい肉体の持ち主で、アクションもキレのある素晴らしい動きをしています。その派手なアクションをぜひ楽しんでいただければと思います。ハリソンさんは、やっぱりレッドハルクに変貌するところが見どころですね。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2025 MARVEL.
映画2026年11月5日
-3人のキャラクターに共感はできましたか。 そのキャラクター全部に共感できるというのは、あまりないのですが、ポイントポイントでは、そりゃそうだよねって思う共感はありました。ただ、それは違うぞと思ったところもたくさんありました。 -神名役の … 続きを読む
映画2026年11月3日
-お話を伺っていると、参加した皆さんが一丸となって作り上げたすてきな現場だったことが感じられます。 相葉 原作・脚本の平山讓さんは、取材から含めて30年くらいこの作品と向き合っていますし、稲垣(壮洋)監督も何年もの時間をこの作品に費やしてい … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年10月31日
-改めて、この作品の魅力はどんなところにあると感じていますか。 僕は、生きていく中で「解釈力」が大事だなと思っています。生きているといろいろなことが起きますよね。大変な状況や苦しいこと、大失敗もある。でも、起こった事実は変えられなくても、 … 続きを読む
映画2026年10月31日
「クジラに落ちた男」(16日公開)★★★ 父を知り、父を乗り越える 巨大なマッコウクジラに丸のみにされた17歳のジェイ(オースティン・エイブラムス)が、亡き父の教えを頼りに脱出を図る。ブライアン・ダッフィールド監督が描くのは、「ピノキオ」 … 続きを読む
映画2026年10月30日
-以前お話を伺った際、柳楽さんはご自身のお芝居について「以前は自分を役に寄せていくやり方をしていたが、『浅草キッド』の後からは、自分のパーソナルな部分を役に反映させて演じるようにしている」というお話をされていました。今回、竜二という役に対し … 続きを読む