エンターテインメント・ウェブマガジン
大正時代の京都と東京を舞台に、実在した女優・長谷川泰子(広瀬すず)と詩人・中原中也(木戸大聖)、文芸評論家・小林秀雄(岡田将生)という3人の男女の愛と青春を描いた『ゆきてかへらぬ』が2月21日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開される。本作の根岸吉太郎監督に話を聞いた。

根岸吉太郎監督 (C)エンタメOVO
『ヴィヨンの妻』は、脚本の田中陽造さんとは3本目のコンビ作だったのですが、それが終わった後に、そういえば陽造さんが昔書いてみんなが傑作だとうわさしている『ゆきてかへらぬ』というのがあると。読んでみたらさすがに傑作だなと。今までなかなか映画化にこぎ着けられなかったみたいだけど、ぜひやってみたいと思いました。それで陽造さんやプロデューサーの山田美千代さんとも話して、『ヴィヨンの妻』の成果もあるし、やってみようという話になりました。それが6年ぐらい前でしょうか。
そうですね。やっぱり非常に描くのが難しい時代というか、この時代をきちっと作り出すには、それなりの資金もいるし、あとは、キャスティングもあの3人がそろわないと…。そんなことがあって時間がかかりました。
そうです。ただ、何せ40年ぐらい前に書かれたものなので、読み物としてはよくできているけど、今の時代に、実際に若い俳優さんを使ってこれをそのままやるのはどうかなと。それこそ陽造さんと鈴木清順さんがやっていたような、ある種の大正ロマンみたいなことではなくて、あの時代の若者の葛藤やぶつかり合いみたいなことをきちっと描きたいと思ったので、そっちの方向にかじを切って、本直しをしてもらいました。
映画に直接関係はしていないけれど、日本の歴史の中では珍しくデモクラシーみたいなことに対して、みんなが目覚めて動いた時代。同時に、その逆の動きとして戦争に向かって刻々と軍靴の音が響いてくる。その節目として関東大震災があった。そんな時代背景を取り込むという手もあったかなとは思いますが、今回は3人を浮かび上がらせるために、そういうものを省いて進めました。でも時代的にはそういうことも含めて、非常に特殊な時代で面白いと思います。
特にそういう意識はしませんでした。ただ、文芸的ということで言えば、陽造さんのシナリオはせりふも含めて、今時耳にしないような美しい日本語で書かれているんです。そのことがそういう印象を与えるのかもしれないですね。
もちろん僕のこだわりもありますが、美術監督の原田満生さんがしっかりと狙いを示してくれました。そういう意味で、原田さんだけではなく、スタッフにも恵まれたと思います。少し前までの日本映画だったらそんなに驚かれるようなものではないけれど、今はある程度のセットを組んでも驚かれる時代になりました。CGを否定するわけではありませんが、役者がその気になって演技ができる場所が必要だというのが一つ。あとは、セットで作り切れないところをCGでやるということはあっても、CGで作り切れないものをセットにするという考え方はあまりないです。
映画2026年9月18日
横溝正史原作の名作ミステリーが、令和の時代によみがえる!これまで繰り返し映像化されてきた『八つ墓村』が装いも新たに映画化され、9月18日から全国公開となる。 岡山県の山奥にひっそりとたたずむ八つ墓村で起きる連続殺人の謎に、名探偵・金田一 … 続きを読む
映画2026年9月18日
沖田修一監督が、年齢も育った環境も異なる3人の「さとこ」という女性の人生が交差していく様子をオリジナルストーリーで描いた『さとこはいつも』が、9月18日から全国公開。本作で、35歳の沙都子を演じた有村架純、55歳の里子を演じた石田ひかり、 … 続きを読む
ドラマ2026年9月17日
NHKで好評放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。田中ひかるの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』を原案に、明治時代、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)という2人のナースの冒険物語 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年9月14日
丸山隆平と、演劇団体マームとジプシーの主宰を務め、劇作家・演出家として注目される藤田貴大が企画し、作り上げる舞台「water」が9月27日から上演される。本作は、丸山の記憶の断片を散りばめながら、藤田の視点で見つけた京都という土地、そして … 続きを読む
ドラマ2026年9月13日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=羽柴秀長/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。劇中、軍師 … 続きを読む