フレッド・ヘッキンジャー「トム・クルーズがものすごいアクションをしてハラハラドキドキするようなことが、日々の生活の中にもあるかもしれない」『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』【インタビュー】

2025年6月4日 / 10:50

 ジューン・スキッブが93歳で映画初主演を果たし、オレオレ詐欺師に立ち向かうテルマおばあちゃんの奮闘を描いたコメディー映画『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』が、6月6日から全国公開される。本作でテルマと仲がいい孫のダニエルを演じたフレッド・ヘッキンジャーに話を聞いた。

フレッド・ヘッキンジャー (C)Courtesy of Universal Pictures

-まずこの映画への出演の経緯から伺います。

 この映画に関わるきっかけは、監督のジョシュ・マーゴリンがジューン・スキッブ向けに当て書きをした脚本を読んだことです。人間くさくて驚きも面白さもあるとても素晴らしい脚本だったので、ぜひ関わりたいと思って、出演に加えてプロデューサーとしても関わることになりました。

-2024年は『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』『クレイヴン・ザ・ハンター』『ニッケル・ボーイズ』といろいろな映画に出ましたが、今回は社会生活に順応できない孫のダニエル役でした。彼のキャラクターをどのように理解しましたか。

 大好きなキャラクターです。今回は役作りの準備をする上で、ジョシュがそばにいてくれてとても助かりました。というのも、この映画は彼の本当のおばあさんに当てたラブレターであり、自分とおばあさんとの関係を描くところから始まったものだからです。なのでダニエルはジョシュそのものなんです。悩んだり、何か分からないことがあってジョシュに相談すると、彼が自分の経験や家族との関係について細かいことまで教えてくれました。それから、衣装を選ぶ時に靴はどうしたらいいだろうとジョシュに相談しに行って、彼が履いていた靴を参考にして選んだこともありました。そのように実際のものをそのまま映画に反映させた例がいくつもありました。例えば、最初の1週間で撮影をしたテルマが住んでいる家も、実際にジョシュのおばあさんが昔住んでいた所ですごく温かみがあって使い込んだ生活感がありました。とても素晴らしい経験をさせてもらいました。

-テルマを演じたジューン・スキッブとの共演はいかがでしたか。とても仲よくなったという話を聞きましたが。

 本当に素晴らしい体験になりました。撮影に入る少し前に彼女の家に呼んでいただいて読み合わせをしましたが、気付いたらお互いにいろいろな話をして打ち解けて、読み合わせがなかなか進まなかったほどでした。話をしながらいろいろなことに対する思いや考え方がすごく似ていると感じました。彼女は俳優としてはもちろん、人間としても本当に素晴らしい人なので本当にすてきな出会いになりました。

-『黒いジャガー』(71)でシャフトを演じたリチャード・ラウンドトゥリーとの共演はいかがでしたか。

 リチャードとは1シーンだけの共演でしたが、彼と知り合うことができてとてもうれしかったです。全体の読み合わせや、準備の段階でも接することができて、アーティストとしても人間としても素晴らしい人だと思いました。彼の演技はもちろん、俳優としてもとても尊敬しています。おっしゃるようにシャフトは映画史上に残るキャラクターの一人だと思います。その彼がこの映画への出演を熱望していました。というのも、長いキャリアの中で自分がこれまでやったことのない演技を見せられるからということでした。とにかくすごく面白味のある役柄だったと思います。彼がいなければこの映画は成立しなかったと思いますし、もう彼に会えないかと思うととても寂しいです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「べらぼう」ついに完結!蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月14日

 NHKの大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」を持ってついに完結し … 続きを読む

稲垣吾郎「想像がつかないことだらけだった」ハリー・ポッターの次は大人気ない俳優役で傑作ラブコメディーに挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月13日

 稲垣吾郎が、2026年2月7日から開幕するPARCO PRODUCE 2026「プレゼント・ラフター」で傑作ラブコメディーに挑む。本作は、劇作、俳優、作詞、作曲、映画監督と多彩な才能を発揮したマルチアーティスト、ノエル・カワードによるラブ … 続きを読む

DAIGO「クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、『パーシーのクリスマス急行』にぜひ乗車してください」『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』【インタビュー】

映画2025年12月12日

 イギリスで最初の原作絵本が誕生してから80周年を迎えた人気児童向けアニメ「きかんしゃトーマス」の劇場版『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』が12月12日から全国公開された。シリーズ初のクリスマスムービーと … 続きを読む

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

 元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

Willfriends

page top