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そうですね。古代ギリシャを感じさせる衣装やセットもすごくかっこいいですし、何よりもギリシャ悲劇をこのパルテノン多摩という劇場で上演できるというのはなかなかないことですから。自分のプロフィールに載せるのが楽しみです。「『オイディプス王』(パルテノン多摩 大ホール)」って(笑)。それに、この劇場の力もすごいんです。「GOTT 神」の稽古で来たときに、本当に感動してしまったほどです。
本当に親身になってくださる方でもあるし、目指している演出のレベルがすごく高く、役者の能力を引き出す力がものすごくある方です。「GOTT 神」の稽古が終わった後、もっと稽古がしたいとお願いしたら、毎回3時間くらい1対1の稽古をしてくださったんです。それで、石丸さんの中で僕がこういう俳優なんだと分かって、自分の中でも石丸さんがこういう演出家の方なんだとなんとなく分かったので、「GOTT 神」でご一緒できてよかったです。
2024年は舞台を6本も出演させていただき、7月から9月はワークショップに通ったり、富山県利賀村に劇団SCOTを見に行ったりもしました。出演させていただいた舞台はジャンルが全て違っていたので、それもすごく勉強になりました。でも、もっといろんなことに挑戦できるなとも思いました。
11月の「若村麻由美の劇世界『あこがれいづる』源氏物語より」は、ほとんど一人芝居だったんですけど、それもすごく楽しくて、新しい世界が見えた感じがしました。自分は人の良さを出すのが好きなんです。演劇をやっていても、自分がこう演じたいからというより、相手の良さを引き出そうとして、向こうもそれを返してくれたら、それが相乗効果でより良くなる。そういうことをずっと考えていて、だから人とお芝居をするのがすごく楽しいんです。一人芝居では、せりふを忘れる夢をよく見るぐらい緊張しましたけど(笑)、無事に乗り切れたこともあって、一人芝居や1人で何かをするというのを2025年にやっていきたいなと考えています。
ものすごく個人的なことですが、舞台で涙を流すことが多くて…今まで悲劇しかやったことないなと思い返しているんです(笑)。その中で、1番の悲劇といわれているギリシャ悲劇に挑戦できることは、楽しみなことでもあります。紀元前に生まれた物語をギリシャではなくて日本で上演すること自体も古典好きからしたら1番の挑戦でもあるので、それもすごく楽しみです。でも、ギリシャだけじゃなくて、世界中で2500年以上にわたって語り継がれている作品でもあるので、自分自身でその語り継がれている意味を探していかなきゃいけないと思っています。そして、この作品が日本のお客様に届いて、さらに語り継がれたらいいなとも思います。一生懸命に稽古を頑張りますので、ぜひ劇場にお越しください。
(取材・文・写真/櫻井宏充)
舞台「オイディプス王」は、2025年2月21日~24日に都内・パルテノン多摩 大ホール、3月1日に大阪・SkyシアターMBSで上演。
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