大塚明夫「この世界で泳いでいたい」 山寺宏一「全て傑作、全て名作」プレミア音楽朗読劇 VOICARION XIX『スプーンの盾』【インタビュー】

2024年12月26日 / 08:00

-本公演で気になる出演者はいますか。

大塚 僕がタレーランをやる回で、諏訪部(順一)がナポレオンで、カレームが安元(洋貴)なんだよね。

山寺 安元くんがあの野太い声でカレームもやるんだ。

大塚 だから、どうやるんだろうと思って、今からワクワクしています。

山寺 その回は見に行こうかな(笑)。僕はミュージカルで活躍されている吉野圭吾さんと共演できるのも楽しみですし、共演はできないですけど、濱田めぐみさんが出演されるというのでびっくりしました。お二人とも歌わない、踊らないのはもったいない(笑)。

-長年、多くの作品で共演されてきたお二人ですが、お互いについて感じる役者としての魅力や印象を教えてください。

大塚 僕が山ちゃんに感じるのは、変幻自在にキャラクターを操作できることと、使える音の幅の広さです。同じ音階でもその音色を全部変えることができて、総がかりで紡いでくる。強弱、高い低い、それからテンポとかを全部持っていて、それをあらゆる手段で紡ぎ出していくという、すごみと言うのか…そこがたまらなくすてきです。

山寺 ありがとうございます(笑)。 僕が明夫さんのここがどうとか言うのは本当におこがましいんですけど。

大塚 いや、別に良いところだけ言ってくれれば(笑)。

山寺 持っている声にしても演技にしてもその深みとか説得力をどうやって生み出しているのかと。もちろん本を読む力、役を捉える力もそうなんでしょうけど、そこから発せられる言葉に説得力が本当にある。何も考えてないのかもしれないですけど、もう全てを分かったかのような感じがあります。

大塚 天才ってこと?(笑)。

山寺 (笑)。しゃべったらもう芝居になるじゃないですけど、そのためには本を読み込んで考えて、普段から感性を磨いていると思うんですが、余裕を感じます。あとは色気です。年を重ねてますますですけど、出会った時から声に色気を持っていて、すごいなと思っています。

-料理をテーマとした本作にちなんで、好きな食べ物や料理を教えてください。

大塚 僕のXを見ると分かると思いますけど、お寿司かラーメンしか上がってない(笑)。二大好物です。

山寺 僕は…フレンチです(笑)、この作品にちなんで! 本格的なフレンチなんてそんなに食べたことはないですけど、上野にある、この作品とコラボしているフランス料理店・ブラッスリーレカンさんで昨年、『スプーンの盾』コースをいただいたんですけど、こんな贅沢があるのかと本当に感動しました。

大塚 今回もコラボコースがあるんだよね。

山寺 そうなんです。台本をしっかり読み込んだシェフたちがこの作品のイメージで作ったものを食べることができて、いろんな意味で感動しました。ファンの方々にも公演と合わせて絶対に行ってほしいです。

-最後に、読者にメッセージをお願いします。

大塚 朗読劇ということで敬遠されている方もいらっしゃると思いますが、朗読劇だと思わずに、生の音楽にセリフも乗っかっているぐらいのつもりで1回来ていただければと思います。今までご覧になっていただいた方も大歓迎ですし、まだこの音楽朗読劇を見たことがない方には、今までのシンプルな朗読劇とは違うエンターテインメント性を感じていただけるんじゃないかと思います。

山寺 今回、久々に台本を読んでみても心がやっぱり震えて、この作品を早くみんなに届けたいと思いました。自分が感動してお客さんにそれを伝えられなかったら意味がないので、 精一杯頑張ります。僕以外にもたくさんの方が出演されていますし、絶対に良いものをお届けできる自信があるので、ぜひ僕が出演する回も見ていただけたらうれしいです(笑)。

(取材・文・写真/櫻井宏充)

プレミア音楽朗読劇 VOICARION XIX『スプーンの盾』は、2024年12月28日・29日に大阪・サンケイホールブリーゼ、2025年1月4日~30日に都内・シアタークリエで上演。

プレミア音楽朗読劇 VOICARION XIX『スプーンの盾』

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

磯村勇斗&堀田真由、ともにデビュー10年を迎え「挑戦の年になる」 ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」【インタビュー】

ドラマ2025年7月2日

 磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

-それが変わってきたということでしょうか。  物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。  やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む

Willfriends

page top