「僕の持っている魂と心意気でこのヘルムも作れたらいいと思いました」『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』市村正親【インタビュー】

2024年12月27日 / 11:45

 J・R・R・トールキンの名作小説をピーター・ジャクソン監督が実写映画化したファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚を描いた長編アニメーション『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』が、12月27日から全国公開される。本作で、誇り高き騎士の国ローハンの偉大なるヘルム王の声を演じた市村正親に話を聞いた。

市村正親 (C)エンタメOVO

-今回オファーがあった時はどんな気持ちでしたか。

 「ロード・オブ・ザ・リング」の実写版をずっと見ていたので、アニメになるとどうなるのかなと思いました。実際にアフレコをしてみると、とても迫力のある絵が見られたと感じました。だから、この迫力のある絵に対して、自分の声がマッチするのかというところでは、結構大変でした。でも、アフレコをやってみて、この仕事をやれてよかったな、この仕事と出合ってよかったなと思っています。

-アフレコをする際に何か考えたことはありましたか。

 僕がやったヘルムは、ローハンのために、娘のヘラのために命を懸けていく。王として民を守る、父親として娘を守るという生きざまが壮絶でした。僕は、体は小さいけれども声は大きい。そのせいか50年以上役者をやってきて、最近は社長だ、会長だ、親分だみたいな役が多い。だから、僕の持っている魂と心意気でこのヘルムも作れたらいいと思いました。それと、僕も父親だから、ヘルムの、父親としての2人の息子との別れのつらさや、娘を絶対に守るという姿勢には共感します。民にとっては王だけど、親と子の関係はまた別のものですから。

-アフレコは英語版を見ながらお一人でしたのですか。

 監督から「聞いてください」と言われたので、全部それを聞いてからアフレコに入りました。ただ英語と日本語とではやっぱり違うので、ちょっと苦労しましたね。

-アフレコに込めた思いは。

 やっぱり、娘と2人の息子たち。子どもたちに対する思いというのが一番強かったです。だから、監督さんからも「親子の愛情を出してもらったのでとても助かりました。俳優さんの表現力によって親子愛が声に表れていて、それがとてもよかったです」と言われて、やってよかったなと思いました。

-ご自身の親子関係のことも考えたりしましたか。

 息子が僕の芝居を見始めたのは「ミス・サイゴン」から。そこから僕の父親業が始まりました。そういうものを子どもたちが見る中で、「うちにいる時は普通だけど、やっぱり板の上に上がったらパパってかっこいいよね」と言いながら見ていたらしいので、やっぱり僕が仕事を大事に丁寧に仕上げていくことが、親としての教育なのかなと思います。

 
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