エンターテインメント・ウェブマガジン
今回の作品は、オムニバスなんですよ。いくつかの話から1作が出来上がっているという作品なので、僕にとっては初めての挑戦です。どうなるのだろうと、本当にやってみないと分からないというのが正直なところです。ただ、きっと(演出の)青木(豪)さんが飽きさせない芝居にしてくれるのだと期待しています。そして、難解なせりふを掘り下げて作り上げるというよりは、非常に分かりやすく簡潔な展開で書かれていることもありますが、エンターテインメント性の高い舞台になるのだろうなと感じてます。なので、間口が広い、いろいろな方に楽しんで見ていただける作品になるのではと思います。大河ドラマを見て、平安時代に興味を持った方にもぜひ来ていただきたいですね。原作ファンの方はもちろん、さまざまな世代の方にも来ていただきたいと思います。
若い頃には意外と戻れるものですが、歳を重ねないと分からない気持ちもあるので、役の幅が広がっていることは感じています。家族を持ったり、子どもが生まれたり、歳を取ったりしたことで、人生の終わりについて考えることも増えてきました。40代までは「人生の終わり」なんて、全く考えたことがなかったんですよ。50代になって、なんとなく先も視界に入ってくる。そして今、「還暦」と周りから言われて、少しうるさいなと思いながらも(笑)、変わらないところは自分の中で持ち続けて、良質に熟していけたらと思います。
そうですね。いいことだと思いますよ。もちろん、楽しさと寂しさといろいろな思いがありますが。そうした気持ちの全てを俳優として演技に使っていけるので、俳優とは面白い職業だなと思います。
皆さんに楽しんでいただけるように、目の前の題材にまい進することです。以前は大きな目標に向かってガムシャラに走っていくという時期もありましたが、今は俳優として心を育てながら、人生の悔いが残らないように、自分にある可能性やできることをやっていけたらと思っています。
後輩の高嶋ちさ子さんが誘ってくれて、「ザワつく!音楽会」という公演に出演させていただいています。チェロを始めて3年目になりますが、楽しんでやらせていただいていますよ。最近は、クラシックのコンサートの司会をやらせていただいたり、外国人の方を招いてお話を聞く番組のMCをやらせていただいたり。自分ができることで、面白いと思うことは、いろいろと挑戦していこうと思っています。
平安時代を描いた作品はあまりないと思いますので、ぜひこのムードの中に一緒に飛び込んで楽しんでいただけたらと思います。お話の中には物の怪(もののけ)が出てきたりと、皆さんが楽しんでいただけるストーリーになっています。(本作が上演される)明治座は、お芝居だけでなく、ご飯を楽しんだり、お土産を買ったりしながら、みんなで楽しい時間を過ごせる場所です。ぜひそんな楽しい時間を過ごしていただけたらと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)

舞台「応天の門」
舞台「応天の門」は、12月4日~22日に都内・明治座で上演。
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
-雰囲気のいい現場だったようですね。 中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問が … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
―確かにその通りですね(笑)。 ただ、大半は史実通りですが、(小田)新之助(井之脇海)とふく(=うつせみ/小野花梨)ととよ坊の一家、序盤に登場した蔦重の恩人の花魁・朝顔(愛希れいか)など、一部に私が創作したオリジナルキャラもいます。と … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む