佐藤流司&阿久津仁愛「ヒリヒリする舞台になる」 エンタメが詰まったミュージカル時代劇 舞台「邪魚隊/ジャッコタイ」【インタビュー】

2024年8月1日 / 08:00

 佐藤流司が主演を務める、映画と舞台を完全連動させるプロジェクト【東映ムビ×ステ】の最新作「邪魚隊/ジャッコタイ」。5月31日に公開された映画に続き、舞台が8月9日から上演される。

 本作は、どこか抜けている個性豊かな死刑囚4人が死罪免除を条件に、将軍お抱えの使い捨ての特殊部隊【邪魚隊】として任務に挑むミュージカル時代劇。舞台では、「徳川の秘宝と引き換えに、誘拐された用心を奪還せよ」という任務を命じられる。邪魚隊のリーダーでスリ師の鱗蔵を演じる佐藤と、邪魚隊に巻き込まれる田舎武士の水野平馬を演じる阿久津仁愛に公演への意気込みを聞いた。

佐藤流司(左/ヘアメーク:入江美雪希/スタイリスト:吉田ナオキ)と阿久津仁愛(ヘアメーク:入江美雪希/スタイリスト:東正晃) (C)エンタメOVO

-舞台に先んじて公開された映画では、邪魚隊が人食い鬼退治に挑む姿が魅力的に描かれていました。お二人は、できあがった映画をご覧になって、どのように感じましたか。

阿久津 テンポが良くて、めちゃくちゃ楽しい作品だなと思いました。楽曲と芝居パートのつながりも気持ちよく、時代劇だけどファンタジー要素もあって、1つの作品でいろいろと楽しめると思いました。

-映像で見て初めて気付くこともありましたか。

阿久津 甘かみしてしまったテークが使われていたので、これを使うんだという驚きはありましたが、それがまた妙に面白くて自分でも新しい発見でした(笑)。役に合っていたと思います。夏で暑い時期の撮影でしたが、映像で見ると暑さを感じないくらい、爽やかに仕上がっているなと思いました。

佐藤 撮影中、役者やスタッフさんと話し合いを重ねながら撮影していたので仕上がりがどうなるのかが想像できなかったので正直不安はありましたが、お客さんの反応や感想を見て、われわれが感じていた不安は杞憂(きゆう)だったんだなと思いました。楽しんでくださっているのを感じることができたので、それが非常にうれしかったです。

-撮影中の思い出は?

阿久津 とにかく暑かった(笑)。長回しのシーンが多かったので、リハーサルもかなり入念にやりましたし、撮影の合間にはアクションのレッスンも行ったので、ギュッとした撮影だったなという印象です。あっという間に終わってしまったけれど、めちゃくちゃ楽しかったです。

佐藤 仁愛と二人でご飯を食べに行ったことがありましたね。会って2日目くらいに、ホテルの近くの焼き鳥屋で。

-そのときに初めてじっくりと二人でお話をしたんですか。

阿久津 撮影が始まったばかりの頃だったので、現場の空気感や台本についての話などを流司くんとさせていただいて、不安要素がなくなりました。誘っていただいて、お話ができて本当にありがたかったです。

-佐藤さんは阿久津さんとお話しして、阿久津さんに対するイメージは変わりましたか。

佐藤 まだ会ったばかりだったので、イメージが変わるということもなく、いい子だなと。

-今回は、映画を経て舞台の上演となります。最初に舞台の脚本を読んだ印象は?

佐藤 時代劇の中にファンタジーが入っているので、現実的なのか非現実的なのか分からなくなってしまう難しい作品だなと思いました。ただ、この作品は難しい話や回りくどいことをお見せする舞台ではないと思いますので、稽古を通して、なるべくお客さまに分かりやすくお届けできたらいいなと思っています。手放しで見て楽しめる作品にしたいです。

阿久津 映画でも見られた邪魚隊のメンバーのコメディー要素は舞台にもたくさん盛り込まれていて、きっと舞台で見たら面白いシーンになるだろうなというところがたくさんありました。どう演じるのか楽しみです。

-演じる役柄についてはどのように考えていますか。映画で演じたからこそ、舞台の稽古を通してより深めていくのかなと思いますが。

佐藤 そうですね。ただ、映画の撮影で2、3週間は撮影したので、役として固まってはいます。普段、映像の脚本を書いている脚本家の方が映画も舞台も担当してくださっているので、舞台もどこか映像っぽさのある作品になっていると思います。特に物語後半、鱗蔵は苦しい状況に追い込まれているのですが、それを舞台でリアルに演じてしまうと間延びしそうなので、どうメリハリをつけていこうかなと考えている最中です。

阿久津 平馬は映画よりも少しだけ成長したような、していないような…そんな姿を見せられるのではないかなと思います。邪魚隊のメンバーとのシーンは、映画のことを思い出していただけるような、変わらない関係性が描かれていますし、精いっぱい頑張っていきたいと思います。

 
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