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もちろん! 伊藤さんのお芝居には本当に助けられました。正隆は最低のクズ男なんですけど、人間力の高い伊藤さんが演じているだけあって、一周回っていとおしくなる瞬間があり、憎んでも憎みきれなくて…。最低で最高のクズ男でした(笑)。
はい。おかげで、余計に罪悪感を覚えてしまいました。台本を読んだときに感じたのは、得体の知れない罪悪感だったんですけど、実際に正隆を演じる伊藤さんの人間味を目の前にしたら、本当に申し訳ない気持ちになって…。でも、それは麻美には不必要な感情で、絶対に表に出してはいけないし…。ただ面白いなと思ったのは、正隆に肉付けされた"人間味"が、麻美を演じる私に与えてくれたものは罪悪感だけじゃなく、喜びだったり、優越感だったりもして、撮影中はとても複雑な心境でした。もしかしたら、麻美も私と同じようにさまざまな感情に翻弄(ほんろう)されていたのかなって。
彼女が経験したこと、彼女の思いを想像しながらシーンを重ねるたび、体が勝手に反応してしまうというか…堪えるのが、苦しかったです。その一方で、ミステリー作家として自分の人生を最高のエンターテインメント作品として提供する彼女の生きざまは、見事だなと。私もこの世界に身を置く以上、自分の私生活までまとめて「どうぞ楽しんでください」と皆さんに提供できたら楽しいのかも?と思う部分はあるのですが…でもやっぱり、麻美のように生きられない。どうしたって、守りたいものはありますから。信念を貫こうとする麻美の生き方は、本当にかっこいいと思います。極端すぎて、絶対に真似はできないけど…憧れる気持ちはありますね。
こんなことは、めったにありません。それだけ、麻美に心を寄せていたんだと思います。もっと言えば、自分が麻美に乗っ取られたような感覚です。そのくらい、森林麻美という役柄には強力な引力がありました。本当に、出会えてよかったです。
謎解きは謎解きとして楽しみながら、人物描写を深く味わっていただきたいです。登場人物がそれぞれに抱える「執着」に注目していただけたら。私自身、このタイトルからは尋常ならざる、揺るぎない執着を感じます(笑)。誰に目線を合わせるかで、物語の見え方がまるで変わってくると思いますので、ぜひご家族やお友だちとご覧になって考察など“ドラマのその後”を楽しんでいただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/井上健一)

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