エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。中盤を迎えた物語は第三十一回「月の下で」で、ついに主人公・まひろ/紫式部(吉高由里子)が「源氏物語」の執筆に着手することとなった。そのきっかけを作ったのは、これまでまひろと固い絆で結ばれてきた藤原道長。朝廷の最高権力者となった道長自身も大きな転機を迎えつつある今、演じる柄本佑が、まひろとの関係を中心に役への思いや撮影の舞台裏を語ってくれた。

(C)NHK
演じている最中は、それほど細かく計算していたわけではありません。ただ、今改めて振り返ってみると、政治的な思惑がまったくないとはいえませんが、やっぱりそれとは違うベクトルで頼みに行ったような気がします。道長は元々、自分の家族を政に関わらせたくなかったにもかかわらず、安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)や姉の詮子(吉田羊)の勧めにより、彰子を入内させることになりました。しかし、そうなった以上は、娘に幸せになってほしいとも思っているわけです。
結局、道長も娘の幸せを願う1人の父親なんですよね。そんな道長にとって、他の人には見せられない弱さや本音を打ち明けられる唯一の相手がまひろです。だからこそ、「帝のお渡りもお召しもなく…」と、彰子のことをまひろに相談できたわけです。「お前が最後の一手だ」とも語っていますが、「最後に頼れるのはまひろしかいない」という思いで執筆を依頼したのでしょう。僕自身も、「うちの娘のために頼む!」と懇願する父親になったつもりで演じていました。
あそこで道長が語る「誰かが、今、俺が見ている月を、一緒に見ていると願いながら、俺は月を見上げてきた」というせりふにある「誰か」は、明らかにまひろを意識しています。さらに、亡くなった直秀(毎熊克哉)に思いをはせるくだりもあり、今までの2人の関係を一度決算し、改めて前に進む推進力を得るようなシーンでした。長いシーンだったこともあり、撮影には時間をかけ、吉高さんとも協力しながら切磋琢磨(せっさたくま)して作り上げました。おかげで、僕にとっても印象的なシーンになりました。

(C)NHK
映画2025年11月28日
大学で出会った佐藤サチと佐藤タモツはたちまち意気投合し、一緒に暮らし始める。ところが卒業後、弁護⼠を⽬指すタモツは司法試験に失敗。独学を続けるタモツに寄り添うため、サチも司法試験に挑むが、数年後、合格したのはサチだった。結婚、出産を経て弁 … 続きを読む
映画2025年11月28日
プロ野球、阪神タイガースの将来を担う選手として期待されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退、その後も病気と闘いながら講演会活動などを続け、2023年に28歳で亡くなった横田慎太郎の生きざまを描いた『栄光のバックホーム』が、11月28日か … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月28日
吉高由里子が2022年の「クランク・イン!」以来、3年ぶりに舞台主演を果たす。吉高が挑むのは、日常に潜む人間の葛藤や矛盾を丁寧にすくい取り、鋭い視点の中にユーモアを織り交ぜる作風で共感を呼んできた蓬莱竜太が描く新作舞台、パルコ・プロデュー … 続きを読む
映画2025年11月22日
『TOKYOタクシー』(11月21日公開) タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。 すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月22日
数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む