「光る君へ」でも注目の瀧内公美、舞台は「毎日違うというところが面白い」 「夫婦パラダイス」で尾上松也とカップルに【インタビュー】

2024年8月20日 / 08:00

 映画『火口のふたり』でキネマ旬報主演女優賞やヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞、大河ドラマ「光る君へ」では源明子を演じて注目を集めるなど、その高い演技力に定評がある瀧内公美。9月6日から開幕するシス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.7「夫婦パラダイス~街の灯はそこに~」では、尾上松也が演じる柳吉と駆け落ちする蝶子を演じる。

 日本文学シアターは、劇作家・北村想と演出・寺十吾が、さまざまな日本文学の世界をモチーフに、斬新な発想を加えて作り上げるシリーズ。今回は織田作之助の代表作「夫婦善哉」をモチーフに、柳吉と蝶子を中心とした新たな人間模様を描く。瀧内に公演への意気込みや役作りについてなどを聞いた。

瀧内公美(ヘアメーク:董冰/スタイリスト:大石幸平) (C)エンタメOVO

-本作の脚本を最初に読んだときの感想を聞かせてください。

 私は、北村想さんと寺十吾さんがタッグを組んだ「奇蹟―miracle one‐way ticket―」に出演させていただいたので、想さんの脚本はこれまでに1度、経験があるのですが、今作もとても不思議で、面白い脚本だなと思いました。というのも、想さんの脚本は哲学的な表現や難解な言い回しも多く、私が普段考えたこともない分野のことが書かれているので、調べ物をしながら読み進めていくことが多いんです。今回は、そうした要素もありながら、心が温かくなるおとなのお伽話のような作品だなと感じました。

-今回は主人公のカップルの蝶子を演じます。脚本を読んでいると、せりふを話す瀧内さんの姿が容易に思い浮かぶほど、ぴったりだと感じました。

 本当ですか!? うれしいです。それを大きく書いておいてください(笑)。

-瀧内さんご自身は、蝶子という役柄についてどのように感じていますか。

 モチーフとしている『夫婦善哉』の蝶子のイメージが強かったので、どうしようもない旦那さんを引っ張っていく、しっかり者という印象でしたが、脚本を読んでいくと、そうした部分がありつつも、それだけではないと感じました。今回の柳吉さんはすごく頭が切れる方なので、柳吉さんに引っ張ってもらうところもあり、かわいらしさもある女性だと思います。

-柳吉と蝶子のカップルについてはいかがですか。

 付かず離れずな感じがすてきだなと思います。ただ、今回は、一緒のシーンがそれほどないんです。離れている時間が多いですが、やっぱりこの人じゃなきゃダメなんだと、そういうカップル感が出せればいいなと思います。

-これからの稽古に向けて、楽しみにしていることは?

 共演者の方々が皆さん芸達者ですので、一緒にお芝居ができるのが何よりも楽しみです。

-柳吉を演じる松也さんの印象は?

 昨年、(松也が石川五ェ門を演じた)新作歌舞伎「流白浪燦星(ルパン三世)」と今年の新春浅草歌舞伎を拝見させていただいたのですが、その中で水の仕掛けがあるシーンがありまして、八百屋舞台を駆け上がっていく姿を拝見して、おののきました。身体能力がすばらしいですよね。それに、声にすごく厚みがあって、花も実もあるすごい役者さんだなと、私が言うのもおこがましい話ですが思いました。歌舞伎はもちろん、現代劇まで幅広く演じられる方という印象があります。今回は、お相手役を務めさせていただくので、とにかく必死についていこうと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、ついに『アンパンマン』の誕生にたどり着いた。 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

 中山優馬が主演する舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~が10月10日に再始動する。本作は、天藤真の小説「大誘拐」を原作とした舞台で、2024年に舞台化。82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り、百億円を略取した大事件を描く。今 … 続きを読む

Willfriends

page top