白石聖「主人公の小一郎を形作るピースの一つとして存在できたら」大河ドラマ初出演で主人公の初恋の相手役【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

2026年1月4日 / 21:00

 NHKで1月4日からスタートした大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合 毎週日曜 夜8時~ほか)。戦国時代ど真ん中、強い絆で天下統一の偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡を描く夢と希望の下剋上サクセスストーリーだ。主人公は豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)。天下人・豊臣秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、「名参謀」と呼ばれた弟だ。その小一郎の初恋の相手となる直を演じているのは、これが大河ドラマ初出演となる白石聖。大河ドラマ初挑戦の舞台裏や仲野太賀との共演について語ってくれた。

(C)NHK

-ついに放送が始まりました。白石さんの演じる直は、主人公の小一郎にとって大切な存在だそうですね。

 直は、小一郎の幼なじみで、初恋の相手です。といっても、それだけではありません。小一郎は兄の藤吉郎から、たびたび無理難題を押し付けられ、揺らいだり、悩んだり、壁にぶつかったりして、くじけそうになることも多いです。そんなとき、背中を押したり、支えになったりするのも直です。言ってみれば、直は小一郎にとって“お守り”のような存在です。

-演じるにあたって、直をどんな女性と捉えていますか。

 言葉と思いが裏腹で、矛盾してしまうときもありますが、基本的にはとても素直ですがすがしく、気持ちのいい女性です。しかも、野盗に襲われて、おびえて手足がすくんでもおかしくない状況でも、直は野盗に平手打ちをします。そのように、女性だからといって守られるだけではない強さ、潔さは、すごく好感が持てます。

-大河ドラマ初出演ということで、撮影前にどんな準備をしましたか。

 監督からは「気楽にやってください」というアドバイスをいただきましたが、私はこれまで時代劇の経験が少なかったので、事前に所作指導を受けた上で撮影に臨みました。また、直はオリジナルのキャラクターということもあり、クランクイン前に豊臣秀長や秀吉など、周囲の人物や時代背景について調べ、理解を深めた上で、どんなキャラクターにしたら作品にとって効果的かを考えながら、役作りをしていきました。

-直は小一郎と一緒のシーンが多いようですが、撮影はいかがですか。

 小一郎とのシーンでは、まっすぐ目を見て、伝えたいことをしっかり伝えることを意識しています。その一方で、2人だけで河原でじゃれ合うようなシーンでは、思いがけず無邪気な表情になっていたこともあって。それはやっぱり、小一郎といるときにしか出せない表情だったなと。そういう幼なじみならではの友情以上、恋愛未満の信頼関係が表れた二人の空気感は、すてきだなと思っています。

-主演の仲野太賀さんとは、これまでも共演経験があるそうですね。

 太賀さんとは今回で三度目の共演になります。おかげで、コミュニケーションをスムーズにとることができ、幼なじみの小一郎と直の関係を作る上で、とてもやりやすかったです。直と小一郎の大事なシーンを撮影したときは、本番で気持ちを爆発させる太賀さんのお芝居が、本当に素晴らしくて。私も見習いたいと思い、本番までの気持ちのコントロールの仕方を伺ったことは、とても勉強になりました。

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-座長としての仲野さんの印象を教えてください。

 太賀さんはとても頼れる座長で、現場は和気あいあいとしています。スタッフやキャストの皆さんのことも、常に気にかけていらっしゃいますし。何より、太賀さんと池松さんの笑顔が絶えることがないのが、現場の雰囲気をよくしている大きな要因だと思います。池松さんも現場の様子をよく見て、太賀さんが撮影に集中しているときは、池松さんがサポートされていますし。そういう仲のよさが伝わるお二人の関係性が、とてもすてきです。

-本作の脚本を手掛けるのは、映画『爆弾』(25)や連続テレビ小説「おちょやん」(20~21)などの話題作を手掛けてきた八津弘幸さんです。八津さんの脚本の印象を教えてください。

 豊臣秀吉、織田信長、徳川家康という三英傑ではなく、秀吉を補佐した秀長の目線で描かれている点が、とてもユニークです。その上、少年マンガのような疾走感があり、八津さんらしくクスッと笑えるシーンも多く、歴史に詳しくない私でも楽しめるようになっています。たとえばこの先、秀吉が信長のわらじを懐で温める有名なエピソードも出てくるのですが、コミカルなタッチで描かれます。しかも、脚本を読んでいるだけで笑ってしまうそんなシーンを、太賀さんや池松さんが実際に演じると、さらに面白くなるんです。それぞれのキャラクターも魅力的なので、どなたでも楽しんでいただけると思います。

-本作を通じて、戦国時代に対してどんな印象を持ちましたか。

 今よりも命がずっと軽く扱われていた時代で、女性は信じて待つことしかできない歯がゆさと、同時にそれゆえの強さを強く感じています。ただ、生きることに必死だった分、人間の生命力の強さや命の輝きも感じられて。どんなにつらいことがあっても、生きることを諦めず、夢を持っているんです。藤吉郎と小一郎の兄弟が農民から這い上がっていくのも、夢があるからこそ芽生える野心だと思いますし。その姿は視聴者の皆さんにもまぶしく感じられ、思わず応援したくなってしまうに違いありません。

-それでは最後に、これからドラマを見守っていく視聴者へ、直の見どころを含めてお言葉をお願いします。

 これから小一郎は戦乱の世を駆け抜けていくことになりますが、その原点であると同時に、小一郎を形作るピースの一つとして、直が存在できたらと思っています。直はオリジナルのキャラクターですが、彼女と同じような思いを持った女性は当時、たくさんいたはずなので、小一郎の物語を彩る1人として、直にも注目していただけたらうれしいです。

(C)NHK

(取材・文/井上健一)


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