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紆余(うよ)曲折あったことは知っていたので、「充希さんの朗読を使うことになりました」と電話で伺ったときは、私も「それしかない。早くそのシーンが見たい!」と気持ちが高ぶり、鳥肌が立ちました。実は、第二十回(「望みの先に」)の最後に放送された次回予告でも、2人が背中合わせのように編集されたカットに「春はあけぼの」の朗読が重なっているのですが、そこでは「春は」が充希さんの声で「あけぼの」は私の声が使われているんです。定子さまとのコラボに「かっこいい!」と感激し、それだけでスピンオフを作ってほしいと思ったくらいです。
吉高さんは、何度対峙(たいじ)しても、全て受け止め、予測できないようなお芝居で返してくださるので、いつも圧倒されています。にもかかわらず、「(相手の芝居を)受けているだけ」とさらっとおっしゃる吉高さんは天才だなと。「まひろさまって、すごいこと考えるのね」というききょうのせりふもありましたが、そこに「吉高さんって、すごいですね」という気持ちが全く同じように乗ってきましたし。今回、吉高さんと充希さん、同年代の天才二人と一対一でお芝居させていただける自分は、つくづくぜいたくさせていただいているなと。お芝居でもそれ以外でもお二人から私はもらってばかりですが、それに全力で返すことを繰り返しながら、ありがたい経験をさせていただいています。
「紫式部日記」に清少納言の悪口が書かれているので、まひろとききょうの関係性はネタバレしているわけです。だからこそ、最初は距離を近づけておくという大石(静/脚本家)先生のアイデアに感服しきりです。最初からライバルで、1年間ずっと火花を散らしていると飽きてしまいますし、仲良しから次第にあつれきが生まれ…という形の方がハラハラワクワクしますものね。
「圧強めの先輩と、苦笑いしながら話を聞いてくれる後輩」的な2人の関係が、どう変化していくのか、まだ私にもわかりません。ただ、ききょうは藤原道長(柄本佑)のせいで大変な目に遭うことが多いので、そこにも道長がかかわってくるのかなと。でも、私としては最終回まで生き残りたいですし、できるだけ仲良くしていたいです(笑)。
加齢表現は意識しています。メイクさんと相談しながら、顔の印象もシーンに応じて、キリッと見えるようにしたり、優しく見えるようにしたり…。年齢を重ねていくとききょうの穏やかな丸い部分と逆に尖った部分が、今後はより明瞭に見えてくるのかなと。反対にまひろは、これからどんどんキリッとしていくと思います。そういった加齢表現も含め、心情の変化を複合的に追っていくと、演じている皆さんの“すごみ”みたいなものが、より見えてくるのではないでしょうか。私も個人的に、それを毎回楽しみにしています。まひろと道長、まひろとききょうの変わりゆく関係性にもぜひ注目してください。
(取材・文/井上健一)

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