山本耕史&クリスタル ケイ「ニューヨークの空気感を感じられる」 伝説のミュージカル「RENT」を日米合同キャストで上演【インタビュー】

2024年7月29日 / 13:46

 多くの人を魅了し続けている、伝説のブロードウェイミュージカル「RENT」が日米合同キャストで上演される。本作は、20世紀末のニューヨークを舞台に、厳しい現実の中、仲間の大切さを知りながら懸命に生きる若者たちの姿を描いたミュージカル。主人公のマーク・コーエンを演じるのは、1998年、初の日本語上演版で同役を演じた山本耕史。26年の時を経て、再びマークに挑む。そして、モーリーン役は、クリスタル ケイが演じる。山本とクリスタル ケイに、日米合作版への意気込みや本作の魅力を聞いた。

山本耕史(左)とクリスタル ケイ【写真:岸隆子(Studio Elenish)】(C)エンタメOVO

-「RENT」は、山本さんの原点になった作品だと聞いています。それだけに深い思い入れがあると思いますが、改めて今どんなお気持ちですか。

山本 まさか、また出演するとは思ってもいませんでした。当時、僕は22歳だったので、26年経っています。昔のことのようでもあるけれど、ついこの間のような気もしていますが、ただ、今回は英語での上演ですから。英語のせりふに集中してがんばりたいとは思っていますが、それにも限りがあるので、周りのキャストに教えてもらいながらやっていきたいと思います。ケイちゃんは、英語の舞台は?

クリスタル 初めてです。だから、ドキドキです。

山本 僕は(英語が)これで合ってるのかな? と考えながら芝居するんだろうけど、ケイちゃんは話せるがゆえの苦労もある?

クリスタル このお芝居でいいのかなと悩むと思います。

山本 でも僕は、感情を乗せることに言語は関係ないと思います。抑揚を付ければいいというものでもないし、棒読みでも感情が乗っていたら感動するものだから。なので、そこは全然心配はしていないんですが、自分が調整してきているものがどの程度なのか、稽古に入ってみないと分からないとは思っています。

-クリスタルさんは出演が決まったときはどんな心境でしたか。

クリスタル 初めて聞いたときはドキドキが大きかったです。すばらしいチャレンジをさせていただける機会をまたいただけたなと思いました。ミュージカルファンじゃなくても知っている、クラシックな作品ですので、いい意味でプレッシャーを感じつつ、楽しむしかないと思っています。

-山本さんは、実に26年ぶりにマーク役を演じることになります。この作品を引き受けるのは大きな覚悟があったかと思いますが。

山本 「本当に?」という感じでしたが、いよいよ稽古が近づいてきて、あっという間に終わってしまうのではないかなと思っています。今はまだ実感としてそれほどはっきりとしたものがあるわけではないですね。26年前の薄ぼんやりした記憶があるだけだから(笑)。モーリーンは、10分くらい場を制するシーンがあるけど、マークは物語のナビゲーターなんですよ。感情的に動くのはマーク以外の人たちで、マークはどこか傍観者のような立ち位置。そういう意味では、僕にとっては難易度が高い役です。感情でものを言うのではなく、説明して言葉で伝えていかなくてはいけないので。今回の演出家のトレイ・エレットさんはマークを演じたことがある方なので、どこを強調してせりふを言えば良いのかなど、相談しながら作っていけたらいいなと思っています。

-クリスタルさんはモーリーンという役について、今どんな印象をお持ちですか。

クリスタル 自分とは真逆な性格の人なのかなと感じているので、それをどう出せるのか、考えているところです。モーリーンは、怖いもの知らずで、言いたいことを言ってやりたいことをやるという自己中なところがありますが、みんなを虜とりこにしちゃうエネルギーを持っています。恥ずかしさを全部置いてできたらと思いますが、未知の世界です(笑)。自分と全く違う役を演じるのは、もしかしたら楽しいのかもしれないけれど。

山本 めちゃくちゃ合うと思うよ。

クリスタル そういってもらえると心強いです。オリジナルキャストの印象が私はすごく強いので、それを意識したくないなとは思います。リスペクトしつつ、取り入れられるところは取り入れて、でも、自分らしいモーリーンにしたい。「クリスタル ケイのモーリーン、よかった」と言っていただけるように演じたいですね。

-日米のキャストが集結して上演するからこそ楽しみにしていることはありますか。

クリスタル 友達がいっぱいできそう。それから、ミュージカル俳優の先輩ばかりなので、いろいろなことを学ぶ機会になると思います。なので、“スチューデントモード”で(稽古場に)入ろうと思います。

山本 きっと(アメリカからやってくる)彼らも日本で舞台に立つのはいつもと違う特別なものだし、楽しんでやるのだと思います。

-今回の公演で特に注目して見てもらいたいところは?

山本 この作品を観た見たことがない方も「この曲知っている」という楽曲が出てくると思います。1990年代を舞台にしているので少し昔の物語ですが、ジェンダーやドラッグ、エイズといった当時のニューヨークの空気感を感じられる作品です。ニューヨークに興味がある人、ニューヨークに行ってみたいと思っている方は、その空気感を体感させてくれる作品になると思います。この作品を知っている方も知らない方も、「RENT」の空気感に浸っていただけたらうれしいですね。

クリスタル テーマは昔からあるものだけど、それにやっと日本が追いついてきている感じがあります。「人間と人間のコネクションを大切にしようよ。アートを大切にしようよ」というエネルギーにあふれています。見終わったあと、今を大事に生きようと感じられる作品になると思います。

(取材・文/嶋田真己)

 日米合作 ブロードウェイミュージカル『RENT』は、8月21日~9月8日に都内・東急シアターオーブ、9月11日~15日に大阪・SkySkyシアターM B Sで上演。

 

日米合作 ブロードウェイミュージカル『RENT』

 


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