「私はこの映画を見て両親に電話をしました(笑)」凰稀かなめ『お終活 再春!人生ラプソディ』【インタビュー】

2024年5月23日 / 08:00

-最後に、高畑さんが「愛の讃歌」を歌いますが、宝塚出身として聴いた感じはいかがでしたか。

 高畑さんの歌を最後に聞かせていただいて、とても感動しました。本当にすごかったです。おきれいですし、声もすごくすてきですし、シャンソンは一つ一つの言葉を大切にして歌わなければならないのですが、気持ちがこもっているのがよく分かりました。実際に歌っているのを聞いている場面も撮りましたが、感動して涙が出てきました。それまでに教えていた期間を経て、お客さまの前で拍手を頂いているのを見ると、やっぱりすごく感動するんです。ライトが当たった瞬間、高畑さんがとても輝いて見えました。

-この映画に出て、個人的にこういう発見があったとか、価値観が変わったことはありましたか。

 もともと興味はあったのですが、この映画に出てから介護や認知症についていろいろと調べたりしています。それで、いろいろなことを早めにやっておかなければと感じましたし、悩んでいるよりもやってみた方がいいとも思いました。この映画を経て、物事をポジティブに考えられるようになりました。ただ、ポジティブな気持ちになるためには、周りのサポートが大切だとも感じました。この映画の家族を、自分の家族と置き換えた時に、そうだなと思うことが山ほど出てきました。

-もともとは宝塚の舞台出身ですが、映画やドラマという映像の仕事は、舞台と比べてどんな印象なのでしょう。新たな挑戦のような感じなのでしょうか。

 そうですね。やっぱり最初の頃は、宝塚のイメージがすごく強くて、宝塚をやめてすぐにストレートプレーをやらせていただいた時に、「できるの?」という感じで言われたりもしました。元宝塚に対する厳しい意見は結構多かったです。それから、映像だと「抑えて」「大きい声を出さないで」というのをすごく言われます。マイクがあるので声の調整が難しいのですが、感情が乗ったら大きな声が出てしまうので、そうした葛藤はありました。でも、最近は「そうなっちゃったらしょうがないじゃない」という気持ちになって、あまり気にしなくなりました。映像だと撮り直しができます。だから「悪かったら何か言っていただけるので大丈夫かな」と。そういうところはいろいろと教えていただきながらやっています。

-最後に、映画の見どころも含めて、観客に向けて一言お願いします。

 サイドストーリーにはなりますが、お父さん(長塚京三)との関係は、英恵さんにとっては見どころです。聞くところによると、私が酔っ払っているシーンで笑いが起きると。「私強いんですよ」と言っておきながら、すぐに酔っぱらうから、ちょっとかわいらしさを感じさせるところがあるみたいで…。そういうお父さんとのストーリーも楽しんでもらえたらなと思います。この映画は、「楽しく生きる」というのがテーマになっているので、いろんなサポートを受けながらも、前向きになって人生を楽しむというメッセージを受け取って、人生を楽しく過ごしていただけたらと思います。「笑えて、泣けて、役に立つ映画」で、とにかく大原家が最高過ぎて、見ていてずっと楽しいので、いろんな方と一緒に見ていただきたいです。見終わった後は、きっと両親に電話をしたくなると思います。私は電話しました(笑)。

(取材・文・写真/田中雄二)

 

(C)2024 年「お終活 再春!」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

鈴鹿央士「絶対に映画館で見て損はさせない映画になっています」『藁にもすがる獣たち』【インタビュー】

映画2026年9月29日

-おばあちゃん役の風吹ジュンさんとの印象に残ったエピソードがあれば。  とても面倒見のいい方で、何か聞いたら何でも返してくれるし、気を使ってくださいました。本当は僕が気を使わなければいけないのに、風吹さんの方から、「大丈夫よ。頑張ろうね」っ … 続きを読む

向井理、演出家・倉持裕と再びタッグ 6人で描き出す会話劇に「戻ってきたな。こういうことがやりたかった」 M&Oplaysプロデュース「ブランク」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月29日

 向井理が主演するM&Oplaysプロデュース「ブランク」が、10月3日から開幕する。本作は、2023年に本多劇場で上演した「リムジン」に続き、向井と倉持裕が再びタッグを組んで贈る新作公演。ある弁護士事務所を舞台に、そこで繰り広げら … 続きを読む

「生きることはこんなに面白いと示したい」制作統括が「ブラッサム」に込めた思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月28日

-そんな珠の父・清治は、現代ではありえないほど娘に厳しく接しますね。  厳しい父親の話は、宇野千代さんの著書にも書かれていることです。現代の視点で見るとつらい話ではありますが、当時の家父長制の下では、ああいう側面があったことは事実です。ただ … 続きを読む

石橋静河「皆さんに『一歩前進してみようかな』と思っていただけたら」連続テレビ小説主演に懸ける思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月26日

  -劇中では、渡部篤郎さん演じる珠の父・清治が強烈な存在感を放っています。珠と清治の関係も物語の重要なカギになりそうですが、2人の関係をどのように捉えていますか。  実際のお父様は、宇野千代さんが「ドストエフスキーの小説に出てくる狂人のよ … 続きを読む

page top