エンターテインメント・ウェブマガジン
「第1回anan猫マンガ大賞」で大賞を受賞したウオズミアミ氏の同名漫画を映画化した『三日月とネコ』が、5月24日から公開となる。熊本地震をきっかけに出会った、恋人でも家族でもない、境遇もバラバラな猫好き男女3人の共同生活を描いた温かな物語だ。
本作で、40代お一人様女性の書店員・戸馳灯(安達祐実)、アパレルショップに勤務する20代の波多浦仁(渡邊圭祐)と共同生活を送る30代の精神科医師・三角鹿乃子を演じているのが、倉科カナ。撮影の舞台裏や作品に込めた思いを語ってくれた。

倉科カナ(C)エンタメOVO
最初に原作を読ませていただいたところ、心に響く言葉が多く、とても共感できました。息苦しい世の中で、ちょっと救われるような、癒やされるような、今の時代にフィットした作品だなと。しかも、私は出身が熊本で猫を飼っているんですけど、同じように舞台が熊本でかわいい猫も出てくるので、ご縁も感じてうれしかったです。
40代で結婚していないことで、社会から認められていないと感じている灯ちゃんが、「私なんか」とか「欠けたまんま、大人になりきれてないみたい」と落ち込んだとき、鹿乃子さんが語った「欠けてるんじゃない。満ちる途中。きっと人生なんて、ずっとその繰り返しだと思うよ」という言葉が印象的でした。鹿乃子さんが自分に言い聞かせている感じもあって。
日々生きていると、「こうでなければいけない」とか「こうあるべき」という世の中の基準に縛られ、そこから外れている自分をネガティブに捉えがちですよね。私自身も、まだ大人になりきれていないところがあり、自分がどうありたいのか日々模索する中で、なかなか思うようにいかず、落ち込むときがあります。でも、鹿乃子さんの言葉には「嫌なことやつらいことも、すべてがすてきな未来につながるプロセス。そう思えば受け入れられる」という前向きな考え方があって、救われるなと。忘れず心に留めておきたい言葉に出会い、私自身の人生観にもいい影響を受けました。
だから、原作者のウオズミアミ先生も熊本出身とお聞きして、すごく納得しました。熊本の人たちは、悲しいことがあっても、下を向くことなく、そこに価値を見いだそうとする強さがあるんです。同じように、この物語の根底にある暗闇の中に光を見いだそうとするポジティブな姿勢にも、熊本人らしさを感じて。やっぱり、熊本人は熊本人を引き寄せるんだなと。

(C)2024映画「三日月とネコ」製作委員会 (C)ウオズミアミ/集英社
映画2025年12月30日
2026年1月1日全国公開となる『迷宮のしおり』は、「マクロス」、「アクエリオン」シリーズなどで知られる河森正治監督初のオリジナル長編アニメーションだ。 引っ込み思案な女子高生・前澤栞(声:SUZUKA(新しい学校のリーダーズ))は、親 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月29日
映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む
映画2025年12月28日
今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】 2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む
ドラマ2025年12月26日
今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む
映画2025年12月24日
脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む