小関裕太&岡宮来夢、念願のロミオ役に「プレッシャーも力に変えて頑張りたい」【インタビュー】

2024年4月19日 / 08:00

 上演の度に大きな話題を呼ぶミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の3年ぶり6度目の上演が決定。5月16日に東京・新国立劇場 中劇場で幕を開ける。

 本作は、2001年にフランスで生まれ、世界20カ国以上で600万人以上を動員したメガヒットミュージカルだ。日本では、10年に小池修一郎演出により宝塚歌劇団によって初演された。その後、11年に新たに〈日本オリジナルバージョン〉が誕生し、以降、再演を重ねている。今回の公演でロミオ役を務める小関裕太と岡宮来夢に本作への思いや公演への意気込みを聞いた。

(左から)岡宮来夢(左/ヘアメーク:村田樹/スタイリスト:能城匠)と小関裕太(ヘアメーク:Emiy(エミー)/スタイリスト:能城匠) (C)エンタメOVO

-岡宮さんは、スケジュールが厳しい中、ご本人たっての希望でオーディションに参加されたと聞いています。改めて出演が決まった心境を教えてください。

岡宮 元々別の仕事が決まっていたので、稽古になかなか出られなくてご迷惑をかけてしまうことになるのではないかという思いがあったのですが、「受けずに終わるのは嫌だ。落ちてもいいから受けてみたい」と思い、無理を言って歌を聞いていただいたのがきっかけでした。ずっと出演したいと思っていた作品だったので、出演が決まったときは本当にうれしかったです。分かっていたことですが、すごく過酷で大変なスケジュールになりますし、たくさんの方にご迷惑をかけてしまうと思いますが、出演が決まったからにはプレッシャーも力に変えて頑張りたいと思っています。

-この作品のどんなところに引かれて、出演したいと思っていたのですか。

岡宮 恥ずかしながら、この作品がどんなストーリーなのかを知ったのは、俳優として活動をし始めた頃に受けたワークショップで「ロミオとジュリエット」の戯曲を読ませてもらったときでした。そこで「ロミオとジュリエット」から派生した作品がたくさんあることを知って、俳優として人生を送っていく中で、原点ともいえるロミオという役をいつか演じてみたいという思いを持つようになりました。そうした中、21年の公演で大好きな(黒羽)麻璃央くんがロミオを演じられるというので公演を見に行かせていただいたら、楽曲がすてきで、小池先生の演出もすばらしくて、衝撃を受け、この舞台に立ちたいと強く思ったんです。それで、今回、あきらめきれずにオーディションに参加し、出演させていただくことになりました。

-小関さんはいかがですか。 

小関 僕もオーディションを受けました。出演が決まったときはうれしかったです。オーディションを受ける前は、少年ならではの情熱と青春が描かれたこの作品で、16歳のロミオを実年齢28歳の僕が演じられるのかと考えました。ただ、作品と向き合えば向かい合うほど、きっとこのタイミングでしか演じられないのではないかと思うようになりました。この作品の楽曲の難しさ、作品やロミオへの理解力という意味でも、「今」で良かったのかもしれないと感じています。

-小関さんは、「ロミオ&ジュリエット」やシェークスピア作品に出演することについては、どのような思いがありますか。

小関 まず、僕はミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の初演と再演を実際に劇場で観劇しているんです。初演のときは、僕はまだ高校生でしたが、あの美しい世界は今でも鮮明に覚えています。その後も、佐藤健さんが出演されたストレートプレーの「ロミオ&ジュリエット」も観劇しました。出演が決まってからは映像で蜷川幸雄さんが演出された藤原竜也さん主演の作品も見ました。(ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の)2021年の後輩の甲斐翔真さんが出ていた公演も、麻璃央くんが出ていた公演も、古川雄大さんがロミオを演じていた年も見ています。見比べると面白いんです。そうしてたくさんの作品を見たので、理解もだいぶ深まっていると思います。

 それから、この作品がシェークスピアの戯曲を原作とした作品であるということは、僕がこの作品に携わってみたいと思った大きな理由の1つです。23年に出演した舞台「キングダム」で、壤晴彦さんとご一緒させていただいたとき、シェークスピア作品についてお話をたくさん聞かせていただきました。壤さんは、「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」と交流があったり、蜷川さんの舞台にもご出演されていたので、とてもお詳しくて。そうしたお話を聞く中で、シェークスピアの作品を知ることによって理解が深まることも多いんだろうと興味を持ち始めたタイミングで、オーディションのお話をいただいたので、これはある種、運命だなと思って受けさせていただいた経緯があります。なので、僕もこの作品に今、とても前のめりになっています。

 
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