反町隆史、「2人の娘を育てたことが『GTO』復活のきっかけになった」 令和の今だからこそ伝えたい“熱い思い” ドラマ「GTOリバイバル」【インタビュー】

2024年3月30日 / 10:00

 反町隆史が主演するドラマ「GTO」(1998年)が26年ぶりに復活し、カンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ「GTOリバイバル」として4月1日午後9時から放送される。本作は、伝説の教師・鬼塚英吉が問題だらけの高校に教師として赴任し、悩みを抱えた生徒たちに熱血授業を繰り広げる物語。時代は平成から令和へ、富める者は富み、貧しい者は貧しくなり、ますます生きづらくなっている現代における鬼塚を演じる反町が「GTO」復活への思いや1998年版のメンバーとの再会、子育てを経て起こった心境の変化などを語ってくれた。

反町隆史 (C )写真・渞 忠之

-「GTOリバイバル」の企画は、反町さんから制作陣に声を掛けられたと聞きました。なぜ今「GTO」を復活させるのかという思いを教えてください。

 僕が24歳のときに「GTO」で鬼塚英吉を演じて、それから26年が経つなかで、正直何度か「GTO」復活のオファーをいただいたことはありました。ですが、そのときは僕なりに過去の作品を復活させるというのは俳優としてどうなんだろうとか、もっと違う役をやりたい、新しい作品をやりたいという思いがあったので、いい機会があればとお断りしていたんです。

 なぜ今復活するのかというところですが、僕は2人の娘がいるのですが、自分の子育ての経験を通じて、学校や社会に対して、また、子どもながらの目線というものをもっと深く感じられるようになったので、僕が24歳で演じた鬼塚英吉を、もう少し違った目線で演じることができるのではないかなと思いました。

-結婚して父親になり、子育てをされた反町さん自身の変化が大きかったのですね。

 それが一つの大きなきっかけではあります。また、僕は「相棒」という作品を7年ほどやったのですが、その途中で当時の「GTO」の主題歌『POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~』がYouTubeにアップされて、その曲を聞くと赤ちゃんが泣き止むといわれているという反響があったんです。改めて自分が当時書いた『POISON』の歌詞を見直す機会があったのですが、結構いいことを書いているな、これはもしかしたら今の時代でも通用するのかなと思いました。

 それからトム・クルーズが『トップガン』を数十年ぶりに復活して『トップガン マーヴェリック』をやりました。彼にはいろんな代表作がある中で、なぜ今この作品を復活させたんだろうと考えたときに、僕は俳優としてのトム・クルーズの生きざまにすごく共感できたんです。自分の中で、こうしたことがつながって「GTO」を今だったらできるな、鬼塚英吉をただ演じるのではなく、自分なりに何かを伝えたり、訴えたりすることができるなと思いました。

 -反町さんが「GTO リバイバル」で、今だからこそ伝えたいこと、訴えたいことというのはどんなことでしょうか。

 「愛情」ですね。うちの娘はアメリカに留学しているのですが、先生方の愛情や生徒に対しての向き合い方が日本とはものすごく違うなと感じています。もちろん日本にもいい先生はいますが、アメリカは子どもに対して、まずほめて接しますし、海外と日本の文化では愛情表現や愛情の掛け方、子どもに対する手厚さが違うなと感じます。最近は日本の社会のニュースや出来事を見ていても、それはないよということが多くあるので、今の令和の子どもたちには尊敬している先生がいるのか? 先生から愛情をもらっているのか? 先生は本当に親身になって考えてくれているのか? そういう生徒への愛情というのは、鬼塚として伝えたい、大事なことだなと思いました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

安田章大「体験したことのない違和感を持ち帰ってくれたら」 アングラ演劇の旗手・唐十郎作品に関西弁で挑む『アリババ』『愛の乞食』【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月18日

 2024年に亡くなったアングラ演劇の旗手・唐十郎の初期作品『アリババ』『愛の乞食』が、全編関西弁で、8月31日から9月21日にかけて世田谷パブリックシアターで二作連続上演される。現実と幻想、現在と過去が溶け合うふたつの物語は、叙情的に紡が … 続きを読む

【映画コラム】7月前半『スーパーマン』『ストレンジ・ダーリン』『「桐島です」』『生きがい IKIGAI』

映画2025年7月18日

『スーパーマン』(7月11日公開)  1938年に発行されたコミックに始まり、何度も映画化されてきたアメコミヒーローの原点をジェームズ・ガン監督が新たに映画化。  いきなり、戦いに敗れ、傷だらけになったスーパーマン(デビッド・コレンスウェッ … 続きを読む

俳優デビュー25周年の上戸彩が15年ぶりの写真集を発売 台湾で幻想的な夜市でのロケから寝起き姿まで多彩な魅力満載

イベント2025年7月14日

 俳優デビュー25周年を迎えた上戸彩の写真集『Midday Reverie(ミッドデイ・リヴァリー)』(宝島社)が、7月10日に発売された。発売記念イベントが、7月12日(土)に大阪で、そして7月13日(日)に東京・紀伊国屋書店 新宿本店で … 続きを読む

JT・モルナー監督「この映画の実現は厳しいと言われた時に、『羅生門』を見れば分かると言いました」『ストレンジ・ダーリン』【インタビュー】

映画2025年7月11日

 シリアルキラーの恐怖に包まれた街を舞台に、とある男女の出会いが予測不能な展開へと突き進んでいく様子を、時系列を巧みに交錯させた全6章の構成で描いたスリラー映画『ストレンジ・ダーリン』が7月11日から全国公開される。米映画批評サイトのロッテ … 続きを読む

鹿賀丈史「演じることよりも感じることの方が先だったかなと思います」『生きがい IKIGAI』【インタビュー】

映画2025年7月10日

 2024年の元旦に発生した地震で甚大な被害を受け、さらに8カ月後の豪雨によって2度目の災害に見舞われた能登で、ボランティア活動に参加した宮本亞門監督が、復興支援を目的に製作したショートフィルム北陸能登復興支援映画『生きがい IKIGAI』 … 続きを読む

Willfriends

page top