エンターテインメント・ウェブマガジン
最初は、せりふはもっと少なくて、せりふなしでできないものかと思いました。でも、やっぱりループやSFを扱うと、少しはせりふが欲しくなるんです。それでも、今映画館やテレビでかかっているものを10としたら、0.2ぐらいだと思います。せりふを削れるだけ削ってみようという話を若葉さんにしたら、手足をもがれたみたいで超うれしいみたいなことを言ったので、これはいいぞと。せりふをどれだけ削れるかと無理ゲーに若葉さんは乗るのかと知ってから、ちょっと前に進みやすくなりました。
目標は90分だったんですけど、やっぱり撮っていると愛情が生まれてしまい、99分になってしまいましたが、何とか2桁で収めました。2桁で収めると、乗り物みたいな感じがして、びゅんと乗れるなというのがあって、気に入っています。
意図ということでいうと、生への回帰、です。実は。何だか窮屈な時代だと思います。社会なのか時代なのか精神的になのか分かりませんが、とにかくとても窮屈で、スマホの中やネットの海に、吸い込まれてつぶされてしまいそうです。薄っぺらくて、うそくさくいなあ、何だかと、日々思います。そんな今、外に出て風を浴びてみるのはどうかと。生きていることを実感しませんかと。転んだらけがをするし、血を流すし、痛いけど、そういう全て、生きていることに戻りませんか、というのが意図です。言ってしまえば。
まあ、あえてカテゴライズするならですよ。「何を見たんだ、何を見せられたんだ」みたいな読後感が、例えば『鉄男』(89)とか『ピンク・フラミンゴ』(72)を見た後の気持ちと同じになったということで、「俺がカルト映画を見た時と同じだな」と思ったので。
若葉 この映画は嫌いな人は大嫌いだと思います(笑)。僕は今までの日本映画が大好きな人たちには受け入れられないだろうなと思っています。ただ、それに対するアンチテーゼでもあったので、すごく興味があるのが、飽和状態の日本映画界にこういうものが投下された時に、群衆の中でどれぐらいの反応があるのかというのはすごく興味があるので、その声を早く聞きたいです。
荒木 99分の新しい乗り物を作りました。客席のアームレストにしっかりつかまって、お気を確かに、振り落とされないようにご覧ください。気に入ったら、何度も見てください。繰り返し、見れば見るほど楽しめる作品にできたと思っています。
(取材・文・写真/田中雄二)

『ペナルティループ』
映画2026年10月8日
「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」(11日公開)★★★ 戦争が残した加害と被害の記憶 ベトナム戦争に従軍した元海兵隊員アレン・ネルソン(ロドニー・ヒックス)は、帰国後も戦場の記憶に苦しみ続ける。だが、自らの戦争体験を人前で語り始 … 続きを読む
ドラマ2026年10月7日
10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。 夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む
映画2026年10月1日
-実在の人物を演じる難しさは感じましたか。 川口 彼女が残した日記や言葉、映像も少なからずありましたが、自分なりの解釈はせず、監督を信じて飛び込んでみるという感じでした。本当に一つずつ模索しながら作っていったという感覚でした。 高杉 こうい … 続きを読む
映画2026年10月1日
-今回は広瀬アリスさんとの共演でしたが、『ゆきてかへらぬ』では、妹のすずさんとも共演しましたね。 シンプルに、男と女として対峙(たいじ)する役ができたことはすごくうれしかったですし、すずちゃんもアリスさんも、自分の実年齢とは関係なく、僕が … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年9月30日
-そうした難しい役どころゆえ、共感はなかなか難しいのでは? それはあまり心配していないです。先日、トム・ストッパードの「ハード・プロブレム」という作品を観劇したんですよ。その作品も、日本人とは違う感情の変化が描かれた作品でした。楽しく会話 … 続きを読む