石橋静河「エヴァンゲリオン」の舞台化に「こんなすごい作品に出演することで自分を越えていきたい」【インタビュー】

2023年4月28日 / 08:00

 数々の映画賞を受賞し、近年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)の静御前役や、時代劇「まんぞく まんぞく」(22)で主演を務めるなど、若手実力派俳優として多彩に活躍し、注目を集める石橋静河。これまでに多くの人々を魅了し、社会現象を巻き起こしてきたアニメーション作品「エヴァンゲリオン」を、舞台ならではの演出による完全オリジナルの物語として舞台化する「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」に出演する。石橋に、本作への意気込みや見どころなどを聞いた。

石橋静河 (ヘアメーク:村上綾/スタイリスト:吉田恵) (C)エンタメOVO

-舞台版は「エヴァンゲリオン・シリーズ作品とは全く違うもの」と言われていますが、舞台化と、そこへ出演すると決まったときの心境は?

 すごく面白そうだけどプレッシャーが大き過ぎるんじゃないかと思いました。当時は原作のアニメを見ていなかったので、内容も詳しくは知らなかったのですが、熱烈なファンの方たちがいる作品だとは知っていましたし、それを舞台化するというのはとても難しい挑戦だなと感じていました。ですが、(シディ・ラルビ・)シェルカウイさんと仕事がしたいとずっと思っていたので、彼が原案・構成・演出・振り付けをされると聞いて、こうした大変な作品で一緒にそこに挑戦できることはなかなかないことだと思ったので、出演することを決めました。

-しかも、新宿の新たなランドマークとなる東急歌舞伎町タワーの新劇場THEATER MILANO-Zaのこけら落とし公演となります。

 本当にビッグプロジェクトです(笑)。なかなか経験したことのない規模感なので、大きいプロジェクトなんだというのを常々感じていますが、あまり恐れ過ぎずに、勢いに乗っかれたらいいなと考えています。

-原作となる「エヴァンゲリオン」の印象は?

 出演が決まってからアニメシリーズを見ているところです。普段は出演する作品の原作を読んだり、見たりはあまりする方ではないんですけど、今回は知っておきたいという思いが強かったんです。やっぱりとても面白い作品です。現代の現実の問題とつながっている気がするけれど、それをエンターテインメントに昇華させているのがすごいと感じています。ただ、アニメに没頭し過ぎてしまうと、舞台では新たなオリジナルストーリーを作ろうとしているので、あまり情報を入れ過ぎずに舞台の脚本を大事にしていこうと思っています。

-本作の見どころは?

 いろんなメンバーがそろっていて、物語の面白さやアクションシーンという見どころはいっぱいあると思います。いろいろな舞台装置や舞台表現を使っていて、視覚的な面白さが満載ですが、やっぱりアナログな人間の力を最大限に使っていくので、実物大のエヴァンゲリオンが立ち上がって戦うというわけではなく、それをお客さんが想像できるように私たちが手伝うようなものになると思います。そうしたものが見えてくる作品になったら、きっと「エヴァンゲリオン」の新しい舞台オリジナル作品になるんじゃないかと思います。

-憧れのシェルカウイさんの演出作品へ出演することで楽しみなことは?

 やっぱり自分がステップアップできたらいいなと単純に思います。演劇、ダンス、舞台美術を総合的に創造している方なので、出演する側もその垣根を自分の頭の中から取っ払って、自分の限界を越えていかなきゃいけないと思っています。一緒に作品作りをするだけでもすごくたくさん影響をもらえると思うんですが、それをもっと自分が能動的にやることで、見えてくるものがあるんじゃないかと考えているので、一緒に仕事をすることで起こる自分の内面の変化みたいなものが楽しみです。

-そのシェルカウイさんの印象は?

 すごく物腰が柔らかい方で、演出でも「こうしろ」と命令するのではなく、「こういうイメージでやりたいんだけど、やってみて」という感じで、「そうしたら、もっとこういう風にできるかな?」というように続けてくる方です。ですが、みんなをまとめていく方だから、物腰が柔らかいだけでなく、バランスがすごくいい方です。

-それでは、稽古はやりやすいですか。

 やりやすいですが、求められるレベルが高過ぎて(笑)。物腰はすごく柔らかいんですが、実はめちゃくちゃ厳しいことを言ってくるみたいな感じなので、プレッシャーもめちゃくちゃあります(笑)。

-主演の窪田正孝さんの印象は?

 窪田さんとは初共演で、お会いしたこともなかったんです。ですが、すごく信頼できる人柄という印象があったので、新しいものを作っていくときに、窪田さんが主演であるならば、一緒に戦える気がすると思いました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

Willfriends

page top