竹内涼真、多重の人格を持つ難役に挑戦!「一人一人の交代人格にこだわって作りました」 ドラマスペシャル「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」【インタビュー】

2023年3月23日 / 09:00

 沢村一樹が主演するドラマスペシャル「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」が、3月24日午後8時からテレビ東京系で放送される。本作は、過去の事件で妻を殺害された元刑事が、新たな連続誘拐事件をきっかけに、事件の真相に迫るヒューマンサスペンス。主人公の元刑事・獅子舞亘を沢村が演じ、連続誘拐事件の容疑者となる複数の人格を持つ解離性同一性障害(DID)の青年・元村周太を竹内涼真が演じる。本作で、幾つもの人格を持つ難役に初挑戦している竹内に、ドラマの見どころや役作りで苦労したこと、撮影現場でのエピソードなどを語ってもらった。

竹内涼真 (c)テレビ東京

-今回、DIDという多重の人格を持つ難しい役どころを演じていますが、撮影に当たって準備したことはありますか。

 クランクインするまでに約1ケ月半の準備期間があったのですが、その期間はプロデューサーの皆さんから頂いたDIDの資料や本を読んだり、DIDの子どもたちと触れ合う機会があって、その中からヒントを得たりしました。人格が連続してチェンジするシーンは、自分の姿を動画で撮影して何度も見返したりもしましたし、たくさん勉強をして一人一人の交代人格にこだわって作っていきました。

-脚本を読んで、どんなところに面白さを感じましたか。

 DIDという一つの症例に基づいて物語が展開していくのですが、やはり僕の交代人格がチェンジする瞬間は見どころだと思います。僕が演じる元村周太は、幼少期に満足のいく愛情を受けられなかったことで、自分に足りないものや満たされていないものを無意識のうちに埋めていく作業を、一生懸命もがきながら埋めようとするんです。見てくださる方も、人間ドラマとして感情移入しながら見ていただけるのではないかなと感じています。DIDを題材とした作品は、自分が知らないところで犯罪が起きていたり、他人を痛めつけたりと、事件性に重きを置かれることが多いと思いますが、今回はいいことや悪いことという区別ではなくて、自分を守り、自分の愛情を勝ち取るために生きている姿をフィーチャーしているので、そこは今までになかったのかなと思います。

-今回演じた、それぞれの交代人格について教えてください。

 まずは主人格である24歳の元村周太と、人見知りで臆病な性格でありながら天才的なIQを持つ7歳のカブト、常に相手のことを否定しながら生きている乱暴な性格のバクという交代人格がいます。カブトは愛情を追い求めるために生まれた人格なので、獅子舞と出会ったときに愛情をもらうために、褒められようと忖度(そんたく)をするのですが、その一生懸命さが愛らしいなと思います。バクは自分が過去に否定され続けた経験から、相手のことを否定して自分が正しいと主張したいときに出てくる人格で、猪突(ちょとつ)猛進なんです。それぞれの人格が個性を持って生きているのですが、主人格が心の奥底で求めている一つの目的に向かって進んでいくんです。

-作品に臨むにあたって、苦労したことはありますか。

 今回は交代人格を作る準備が大変だったというよりも、台本がすごく複雑な内容なので、それを読み解くのに一番時間がかかりました。僕が演じる元村周太が、この物語においてどのような意味をもたらすのかを明確にしたことで、それぞれの交代人格のキャラクターを、物語上でどのように表現していけばいいのかが見えた気がします。

-役を演じる上で、監督からリクエストされて印象に残っていることはありますか。

 主人格から、それぞれの交代人格のキャラクターに変わる瞬間の目です。数秒の間合いだと思うのですが、監督が目が変わる瞬間を色とりどりに撮っていきたいと言ってくださったので、そこは監督と相談しながら意識して臨みました。

-主演の沢村一樹さんと演技で対峙(たいじ)した感想はいかがですか。

 僕がいろいろな人格にチェンジして、沢村さんが演じる獅子舞にあらゆる球を投げさせていただきましたが、大きな懐で受け止めてくださるので、沢村さんとのお芝居はすごく楽しかったです。その場で生まれるものもたくさんありましたし、目の前のキャッチボールを大切にしてくださるので、僕もあまり芝居のプランを決めて行かずに、現場でいい距離感でお芝居させていただきました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

Willfriends

page top