エンターテインメント・ウェブマガジン
クリントの作品(『硫黄島からの手紙』(06))をやったとき、「僕の気持ちを全て酌み取ってくれる優秀なスタッフが全部署にいたら、やってもいいかも」と一瞬血迷ったことはあります(笑)。でもやっぱり、僕はただの俳優なんですよね。編集が苦手で。どうしても演者の気持ちになっちゃうので、無慈悲には切れない。
そうすると、「なんであれ切ったの? それは俺の作品じゃない」って文句言っちゃうから(笑)。
実はちょっとさかのぼるんですけど、僕が主演したフジテレビの時代劇「御家人斬九郎」(95~02)で監督をしたことがあるんです。でも、それは最終回だったし、主人公を主観的に見る話にしてもらったので、やれただけで。
あそこまでは、割り切れないですね。クリントの割り切り方はすごいですよ。あと、僕らが思う以上に俳優を信頼してくれるから、すごく責任を感じる。だから、ニノ(二宮和也『硫黄島からの手紙』で共演)にも、よく「映画は100年ぐらい残るから、ちゃんとやろうぜ」と言っていたんだけど(笑)。それに対応できるところが、ニノの良さでもあるんですよね。クリントもそういう部分をうまく見分けて、ちゃんと差配している。あれはちょっと、僕にはできないです。
これぐらい続けていると、作品をよくするためにはどういう方法論を取ればいいのか、ということに関しては、多少なりとも手助けできるわけです。俳優だけやっているときでも、似たようなことをする機会はあるので。例えば、現場で、「もうすぐ日が落ちるから、今日は撮影を先に進めないと駄目だと思うよ」みたいなことを言ったり。それはある意味、プロデューサー的な目線なので、その辺で僕が力を発揮できることはあると思うんです。でも、監督は「集めた素材を、イエスかノーかでぶった切る」みたいな、もうちょっと冷酷な判断が求められるので。
はい。ブレーキを踏んでいます(笑)。
(取材・文・写真/井上健一)
ドラマ2024年11月30日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月24日に放送された第四十五回「はばたき」では、「源氏物語」の執筆を終えた主人公まひろ(吉高由里子)が旅に出て、嫡男・頼通(渡邊圭祐)に摂政の座を譲った藤原道長(柄本佑)は出家することとなっ … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年11月30日
-お稽古も進んでいると聞きます。稽古場の雰囲気はいかがですか。 すばらしい俳優さんばかりで、皆さん、思いの丈を芝居に込めてぶつけていらっしゃることを感じるので、私ももっともっと大胆に挑戦しなければと感じています。 -主演の草なぎ剛さんの印 … 続きを読む
映画2024年11月29日
『ザ・バイクライダーズ』(11月29日公開) 1965年、シカゴ。不良とは無縁の日々を送っていたキャシー(ジョディ・カマー)は、けんかっ早くて無口なバイク乗りのベニー(オースティン・バトラー)と出会って5週間で結婚を決める。ベニーは地元の … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年11月29日
-(取材当時)これからお稽古が始まりますが、お稽古に向けて楽しみにしていることを教えてください。 今回の作品は、オムニバスなんですよ。いくつかの話から1作が出来上がっているという作品なので、僕にとっては初めての挑戦です。どうなるのだろうと … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年11月28日
-「ロミオ&ジュリエット」に続いて、ミュージカル「スリル・ミー」に出演されました。これもまたかなりの大きな挑戦だったのでは? かなり大きな挑戦でした(笑)。まさか出演させていただけると思っていませんでしたので驚きました。「スリル・ミー」は … 続きを読む